鉛製給水管の全廃へ国が新目標、年15万件撤去を目指し自治体に計画策定を義務化
鉛製給水管全廃へ年15万件撤去目標、自治体に計画策定義務化 (15.02.2026)

鉛製給水管の全廃に向け国が新たな目標を設定、撤去加速へ自治体に計画策定を義務化

健康被害の恐れがある鉛製給水管(鉛管)が全国に約200万件残存している問題で、国土交通省は新たな方針を打ち出しました。同省は、鉛管の撤去を加速させるため、全国の水道事業者(自治体など)に対し、2028年度末までに交換計画の策定を義務付ける事務連絡を発出。さらに、国内全体の年間撤去件数の目標値を初めて設定し、年15万件の達成を目指すと発表しました。

交換計画の策定率向上と撤去目標の設定

国土交通省の調査によると、2024年3月時点で鉛管が「残存する」と回答した457事業者のうち、298事業者が交換計画を未策定でした。この現状を踏まえ、同省は昨年12月に有識者検討会を開催し、新たな方針を策定。2028年度末までに、鉛管が残存する全事業者に対し、年ごとの交換計画や交換費用の取り扱い、撤去完了の目標時期などを定めた「敷設替え計画」の策定を求めています。

今回初めて設定された年間撤去件数の目標は15万件で、直近5年間(2024年3月まで)の年平均約10万6000件の約1.4倍に相当します。国は、この水準を2028年度末までに達成することを目指しており、鉛管早期ゼロに向けた取り組みを強化しています。

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鉛管問題の背景と歴史的な経緯

鉛製給水管は、さびにくく加工しやすい特性から、国内で1980年代まで広く使用されていました。しかし、水が滞留すると鉛が溶出する可能性があり、過剰摂取した場合に神経のまひなどの健康被害を引き起こす恐れがあります。このため、国は1989年に鉛管の新設を禁止し、別の材質の管への交換を全国の水道事業者に通知しました。

2004年には「水道ビジョン」で早期ゼロの目標を掲げましたが、宅地では大半が私有財産であるため、自発的な交換に委ねられており、撤去が進んでいません。日本水道協会の調査によると、2024年3月時点の残存件数は約192万件で、2006年3月の初調査時(約509万件)から6割減少したものの、近年は減少ペースが鈍化しています。

今後の取り組みと手引の改定

国土交通省は、交換を促進する効果的な事例などを盛り込んだ事業者向けの手引を初めて改定し、2026年度中の完成を見据えています。これにより、自治体や水道事業者が鉛管撤去を円滑に進められる環境整備を図ります。

鉛管問題は、国民の健康と安全に直結する重要な課題です。国が掲げる「鉛管早期ゼロ」の実現に向け、自治体や事業者の積極的な取り組みが求められています。

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