佐賀県弁護士会が黙秘権行使容疑者の取り調べ規制を全国警察に要求
佐賀県弁護士会(出口聡一郎会長)は3月2日、黙秘権を行使している容疑者の取り調べについて、具体的な規制を求める会長声明を発表しました。この声明は佐賀県警察をはじめ、全国の都道府県警察に対して発出されたものです。
福岡高裁判決を受けた声明発表
今回の声明は、佐賀県警に窃盗容疑で逮捕された男性らが違法な取り調べを受けたとして県に損害賠償を求めた訴訟を巡り、昨年12月の福岡高等裁判所判決で県警の取り調べが黙秘権の侵害にあたると認められたことを直接の契機としています。裁判所の判断を受けて、弁護士会が具体的な改善を求める姿勢を明確にした形です。
規制対象となる具体的な取り調べ行為
声明では、以下の4点を規制の具体的な対象として挙げています:
- 供述するかどうかの自由な意思決定を困難にする取調官の言動
- 供述しない意思が確認された後の取り調べの継続
- 有形力の行使による取調室への出頭の強制
- 黙秘権を行使している容疑者の供述調書の作成の禁止
特に「有形力の行使による取調室への出頭の強制」については、物理的な力を使ってまで容疑者を取り調べに連行する行為が問題視されています。これは被疑者の権利保護の観点から重大な懸念事項と位置付けられています。
取り調べの透明化と改善を求める
出口聡一郎会長は声明の中で、「県警は取り調べの透明化に向けて積極的な改善に努めるべきだ」と強く訴えています。黙秘権は憲法で保障された基本的な権利であり、その行使を妨げるような取り調べ手法は司法制度の根幹に関わる問題であるとの認識を示しました。
今回の声明は単なる批判に留まらず、具体的な改善項目を提示することで、警察の取り調べ手法の抜本的な見直しを促す内容となっています。弁護士会としては、今後の警察の対応を注視しながら、必要に応じてさらなる働きかけを行う方針です。



