中野区長選に5人が立候補、現職酒井氏と新人4人の争いに
中野区長選に5人立候補、現職酒井氏と新人4人の争い

東京都中野区長選は7日投開票で、現職の酒井直人さん(54)と、いずれも無所属新人の元区議吉田康一郎さん(59)、元会社員石倉弘次郎さん(28)、監査法人職員森川岳大さん(31)、会社員秋池幹雄さん(68)の計5人が立候補した。各候補の横顔や思いを紹介する。(届け出順)(足達優人)

酒井直人さん(54)無現<2>

暮らしやすくなる街に

「職員が子どもの意見を聞いて政策を決めるという姿勢に変わってきた」。「子育て先進区」の実現を掲げて走り続けた2期8年に自信をのぞかせる。

1人で子育てに追われた母を思い、「弱い立場の人のために働く」と心に誓った。目指した弁護士にはなれなかったが、入庁した中野区役所では平日休日を問わず地域に飛び出し、区民の悩みに耳を傾けた。

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注力してきた子育て政策では、子どもの権利条例の制定などの成果もある一方で、子育て世代の定着を課題にあげ、「地域のつながりをもって住み続けたいと思ってもらえるようにしたい」と意気込む。バリアフリー問題の解決など「圧倒的に暮らしやすくなる」と中野サンプラザを含めた駅前再開発の意義を訴える。

無類の料理好きで、得意はタイ料理。まな娘の友人にもその腕は知れ渡っているという。

吉田康一郎さん(59)無新

最低水準出生率向上へ

歴史好きで戦国武将に憧れた少年が「日本を良くしたい」との志を抱き、政治の道へと足を踏み入れた。

大学卒業後、経団連事務局に就職し、経済政策や環境問題の調査・研究に従事。2001年に都議選初挑戦し敗れたが、05年の都議選で初当選、2期7年務めた。「議員は提案をするまで。政策を実行する立場になりたい」と18年に中野区長選に初出馬。約1万4500票を獲得したが、酒井直人現区長に敗れた。

その後中野区議2期を経てリベンジに挑む今回。全国最低水準に沈む出生率・出生数の向上に向けた子育て支援の強化を訴える。再開発が計画されている中野サンプラザは現施設の再利用も含め「複数案を比較し費用や内容の優れた案を採用する」と訴える。

学生時代はオーケストラのクラリネット奏者で、今はピアノでお気に入りの曲を弾くのが日々の癒やし。

石倉弘次郎さん(28)無新

サンプラザ解体に反対

「おかしいことはおかしいと言えるようになりたい」と政治家の道を志した。

「憲法改正で戦争が起きたとしても、選挙権がない未成年者には抗(あらが)う手段がない」と小学生時代に抱いた疑問をきっかけに、社会の理不尽な問題に関心を持つようになった。

兵庫県姫路市生まれ。大学まで関西で過ごし就職を機に上京した。3年間の社会人生活を経て、2024年10月の衆院選に東京27区から初出馬したが落選。翌年の都議選にも中野区選挙区から出馬し敗れたが、2度の選挙を通じて区民の温かみに触れ「応援してくれた人へ恩返しをしたい」と区長選への挑戦を決めた。

選挙戦では、「本気で残したいという人たちの選択肢になる」と、再開発事業が進む中野サンプラザの解体反対を訴える。

特撮作品好きで、中野発祥の漫画本専門古書店「まんだらけ」通いが日課。

森川岳大さん(31)無新

教育活動の充実目指す

大学時代に参加した海外の役所でのインターンをきっかけに政策作りに興味を持った。10年近く民間企業で国内外の政策立案や研究をする中で「政治の世界で良い政策を作りたい」と出馬を決意した。

横浜市出身。「多様性のある街で、子育てができそう」と3年ほど前に中野区に移り住んだ。

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アジア諸国を巡る中で、画一化されていく街並みに寂しさや危機感を覚えた。再開発が進む中野区を「どこにでもある街にしたくない」と、区の象徴である中野サンプラザを再利用し「中野が育んできた多様な文化を集め、発信する拠点にする」と訴える。

「学校の外で多様な経験を積ませて、子どもの感性や挑戦心を養いたい」と教育活動の充実も目指す。

1児の父。趣味は街歩き。「特に公共施設を見ると建設経緯や財源が気になる」と笑う。

秋池幹雄さん(68)無新

開かれた行政にしたい

日本や台湾でエンジニアとして45年間の会社員生活を送ってきた。さまざまな選挙で候補者の応援はしてきたが、自身の出馬は今回が初挑戦だ。

中野に友人が住んでおり、そこで進む中野サンプラザの再開発計画に関心を持った。ただ、区が計画推進の理由にあげる老朽化や解体費用の根拠を調べると知りたい情報が出てこなかった。「エンジニアとしてエビデンスがないと納得できない」と現区政の姿勢に疑問を抱き、「区民に開かれた行政にしたい」と出馬を決意した。

サンプラザは建て直した上で、「区が大家さんのようにしてブロックごとに(民間事業者と)契約する方式でやっていく方が良い」と提案する。

学生時代は捕手として野球に熱中。2度の台湾駐在経験があり、中国語が堪能で通訳ボランティアとしても活動する。