岡山の山林火災から1年、再発防止へ向けた取り組みが本格化
岡山市南区で昨年3月に発生した大規模山林火災から、23日で1年が経過しました。この火災は、記録が残る1965年以降、岡山県内で最大規模の被害をもたらし、約486ヘクタールが焼失。倉庫や空き家など計19棟を焼き、20日後の4月11日にようやく鎮火しました。幸いにもけが人は出ませんでしたが、飛び火をもたらす「樹冠火」が広範囲で発生し、延焼拡大の一因となったと推定されています。
燃えにくい木の植樹で山林の防火対策を強化
火災の再発防止と土砂災害への備えとして、市民や関係者らは被災地に燃えにくい木の植樹を進めています。特に、防火性が高いとされるウバメガシやヤマモモが中心で、県は復旧計画に基づき、1ヘクタール当たり計5000本を植える予定です。3月23日には、市民約60人が岡山市南区の貝殻山山頂付近で、地元企業からの寄付金を活用し、近くの小中学生が育てたウバメガシやヤマザクラ計約100本を植樹しました。参加した認定こども園の男児(6)は、「大きく育って、緑がいっぱいになってほしい」と願いを込めました。
新たな警報制度で火の使用を厳格化
岡山市消防局は、4月から「林野火災警報」と「林野火災注意報」の制度を導入します。これは、前3日間の合計降水量が1ミリ・メートル以下で、前30日間でも30ミリ・メートル以下の乾燥状態が続き、さらに強風注意報が出た場合に警報を発令するものです。警報発令中は火の使用が制限され、違反した場合には消防法に基づき30万円以下の罰金が科される可能性があります。同局の担当者は、「たき火は原則禁止で、『火災とまぎらわしい煙や火炎を発するおそれのある行為』には届け出が必要です。山火事の多くはたき火が原因となっているので、改めて注意をしてほしい」と呼びかけています。
消防と市民の連携で防災意識を高める
火災発生から1年を前に、岡山市は「STOP山火事プロジェクト」を1月から開始し、著名人を起用した動画配信などで防災意識の向上を図っています。また、同局と地元消防団の約90人が放水訓練を行い、連携を確認するなど、実践的な対策も進められています。県警の調査によると、火災の原因は、近くに住む無職の男(82)が空き地で枯れ枝にガスバーナーで火を付け、その場を離れた際に燃え広がったとされ、男は重過失失火と森林法違反の疑いで書類送検されました。
この火災は、岩手県大船渡市で昨年2月に発生し、約3370ヘクタールを焼失した山林火災でも樹冠火が確認されるなど、全国的な課題となっています。岡山では、植樹や警報制度の導入を通じて、山林火災の再発防止と地域の安全確保に向けた取り組みが着実に進められています。



