ドイツ首相、ホルムズ海峡への艦船派遣を拒否 国際的委任の欠如を理由に
ベルリン共同 ドイツのメルツ首相は3月16日、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の安全確保に向けた艦船の派遣について、参加しない考えを改めて表明しました。首相はベルリンで行われた記者会見において、この決定の背景として、基本法(憲法)が求めている国連や欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)による正式な委任が存在しない点を強調しました。
国際的な委任なしでは軍事関与は困難
メルツ首相は、ホルムズ海峡がイランによって事実上封鎖されている状況を認めつつも、ドイツとして単独で軍事的な関与を行うことは憲法上の制約から難しいと説明しました。首相は「ドイツが軍事的にどう関与するかという問題は生じない」と述べ、国際的な枠組みを超えた行動には慎重な姿勢を示しました。
さらに、米国とイスラエルによる最近の対イラン攻撃についても言及し、「われわれと事前に協議しなかった」と指摘。このような状況下では、ドイツが戦争に巻き込まれるリスクを避けるため、明確な距離を置く方針を打ち出しました。
一貫した非関与の姿勢
メルツ首相は今月13日にも、「ドイツは(イランでの)戦争に関わっておらず、関与するつもりもない」と発言しており、今回の表明はその立場をより具体化したものと言えます。首相の一連の発言は、中東地域における軍事衝突の拡大を懸念し、ドイツとしての役割を国際法と同盟関係の枠内に限定する意図を反映しています。
ホルムズ海峡は世界の石油輸送の約3分の1が通過する重要な航路であり、その安全確保は国際社会全体の関心事です。しかし、ドイツ政府は、こうした課題に対処する際にも、法的根拠と同盟国との調整を最優先する姿勢を堅持しています。
今回の決定は、EUやNATO加盟国間での対応の違いを浮き彫りにする可能性もあり、今後の国際的な安全保障協議において注目される展開となりそうです。メルツ首相は、記者会見で今後の外交努力を通じた平和的解決への道筋を模索する意向も示しました。



