高市早苗首相の陣営が、他の候補を中傷する動画の配信に関与していたとする週刊文春の報道をめぐり、国会で野党の追及が続いています。昨年の自民党総裁選や、今年の衆議院議員選挙での行為だったと報じられました。疑惑が浮かび、追及が続くことになった経緯や、これまでの首相の説明を整理しました。
「中傷動画」報道をめぐる経緯
記事が載ったのは4月。自民党総裁選や衆院議員選挙の期間中に、高市首相の陣営が他候補や他党の幹部を中傷する動画をSNSで流していた、などと報じた。相手を名指しして「無能で炎上!」「息を吐くようにうそをつく」などとする内容を大量に配信した、とされた。
記事では、動画の作成に関わった男性と高市事務所の公設第1秘書との間のメッセージとされるやりとりを引用。高市事務所側が男性に、動画の作成や発信を依頼していた、と伝えた。この男性は会社役員の松井健氏。
松井氏は、5月18日に出演したYouTubeの番組で、中傷動画の発信について、高市事務所の秘書と「やり取りして実施した」と説明した。秘書からの具体的な指示は否定。「(高市首相の)プラスになるだろうと思い、自ら主導した」とも話した。
「サナエトークン」を開発した
同じYouTube番組で、松井氏は、暗号資産(仮想通貨)「SANAE TOKEN(サナエトークン)」の開発者でもあると認めている。「SANAE TOKEN」は2026年2月に取引が始まった。その直後の3月、高市首相はX(旧ツイッター)に投稿し、「私は全く存じ上げませんし、私の事務所側も、当該トークンがどのようなものなのか知らされておりません。本件について我々が何らかの承認を与えたこともございません」と関与を否定している。しかし、松井氏は、「SANAE TOKEN」に関しても高市事務所の秘書とやりとりしていたと説明した。
選挙中の中傷・偽情報に関する論点
SNSでは、真偽不明の情報が拡散されやすく、選挙の公正さを損なう恐れがある。今回のケースでは、中傷動画の内容が事実に基づくものかどうかも争点となっている。また、首相の陣営が関与したとされる点について、首相自身の説明が一貫しているかどうかも問われている。
高市首相のこれまでの対応
高市首相はこれまで、中傷動画への関与を繰り返し否定している。しかし、松井氏の証言やメッセージのやりとりが報じられるたびに、説明の整合性が問われている。首相は「秘書を信じる」と述べる一方、詳細な確認を避けているとの批判もある。野党は、首相の責任を追及し、真相解明を求めている。



