自民党は29日、大規模災害時に首都機能を代替する「副首都」構想の具体化に向けた法案について、党内での議論を開始した。この法案は、日本維新の会が推進する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票を大阪府全域で実施可能にし、同時に「大阪都」への名称変更も問うことができる内容を含んでいる。これに対し、大阪府選出の議員を中心に異論が相次ぎ、党内での意見調整が難航している。来週も議論を継続する方針だ。
法案の概要と目的
法案は、大規模災害時に首都機能の代替を担うことを主な目的としており、人口や経済規模などの一定の要件を満たす道府県からの申し出に基づき、首相が副首都を指定する仕組みを定めている。これにより、東京一極集中のリスクを分散し、災害時の行政機能の維持を図る。
付則の内容と論点
付則では、大都市地域特別区設置法(大都市法)を改正し、住民投票で道府県の名称を「都」に変更することを同時に問えるようにする。その際の住民投票は道府県全域を対象としており、大阪府がこの対象となる可能性が高い。この点が、大阪選出議員らから「大阪都構想の再燃につながる」との懸念を呼んでいる。
自民党内では、副首都構想そのものには一定の理解が示されているものの、付則の内容が維新の主張に沿った形であることから、慎重な対応を求める声が強い。特に、大阪選出の議員からは「地元の民意を無視した強引な手法だ」との批判が上がっている。
来週以降も党内議論を継続し、修正案の提出も含めて調整が進められる見通しだ。政府・与党としては、早期の法案成立を目指すが、党内の異論をどう収拾するかが課題となる。



