国会で審議が進む個人情報保護法の改正案に関して、松本尚デジタル相は5日の閣議後会見で、病歴などの「要配慮個人情報」を外部に提供する際に、個人の氏名を匿名や仮名にすることは難しいとの見解を明らかにした。
改正案の柱と野党の懸念
今回の改正案の主要な柱の一つは、AI(人工知能)開発を含む「統計情報の作成」を目的とする場合に限り、病歴や犯罪歴といった「要配慮個人情報」に該当するデータを、本人の同意を得ずに企業などへ提供することを可能にするものだ。この措置は、国内におけるAI開発の促進を狙いとしている。
一方、中道改革連合など野党側は、病歴や犯罪歴といった機微な情報が名前や住所とともに外部に提供されると、提供先からの情報流出や、海外企業などによる悪用のリスクがあると指摘している。こうしたリスクを軽減するため、野党はデータ提供の際に個人の氏名を匿名または仮名にするよう提案し、法案の修正を求めている。
デジタル相の認識
この日の会見で松本氏は、音声データ内や医療機関で身体を測定した画像データなどの具体例を挙げ、「(氏名を)一枚一枚を削除していくというのは大変な作業だ」と述べ、匿名・仮名化への対応は困難であるとの認識を示した。その上で、「AIに学習をさせて、残ったデータは確実に破棄するよう縛りをかけていく」と説明した。
さらに、アメリカや中国が先行するAI開発を念頭に、「このままいくと(日本は)AI植民地になってしまう。そうならないように、針の穴に糸を通すようなバランスでつくっている改正案だ」と述べ、理解を求めた。



