三重県の「経済的豊かさ」10年で1位から30位に急落、暮らしやすさが裏目に?
三重の経済的豊かさ10年で1位から30位に急落

三重県の「経済的豊かさ」が、2024年の国土交通省の試算で全国30位にまで落ち込んだことが明らかになった。2014年のデータでは全国1位だったが、10年間で大きく順位を下げた。その背景には、月収の伸び悩みや物価上昇による実質的な収入減少があるとみられる。

「経済的豊かさ」とは何か

国土交通省は、総務省の家計構造調査などを基に、都道府県別の「経済的豊かさ」を試算している。これは、2人以上の勤労者世帯のうち、収入が上位40~60%に入る「中央世帯」の手取り月収を算出し、そこから食費や住居費、光熱水道費といった「基礎支出」を差し引く。さらに、通勤時間を時給換算してコストとして差し引いた金額を求め、順位付けしている。つまり、世帯が自由に使えるお金の多さを示す指標だ。

2024年の三重の状況

2024年の三重県の「経済的豊かさ」は22万7544円。隣の愛知県は19万6701円で、三重の方が高いが、全国2位の岐阜県は30万5789円と大きく差をつけられた。国土交通省は今年2月、国土審議会の部会でこのデータを参考資料として提示。東京は月収で全国トップだが、家賃などの基礎支出が高く、通勤時間も長いため、自由に使えるお金は22万2264円で三重よりも少ないことを示す狙いがあった。

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なぜ三重は順位を下げたのか

2014年の三重の「経済的豊かさ」は23万9996円で全国トップだった。しかし、2019年には22位に後退し、2024年には30位まで落ちた。その理由は明らかで、月収がほとんど伸びていないことにある。2024年の月収は42万9千円で、2014年の41万6千円からわずか1万円ほどの増加にとどまった。一方、物価上昇により支出が増えた結果、自由に使えるお金は逆に1万円減少した。

月収伸び悩みの背景

帝国データバンク四日市支店の服部光次支店長は、三重県に大手企業を支えるものづくり中小企業が多いことを指摘する。中小企業はサプライチェーンの頂点にある大手に比べ、賃金を上げにくい。さらに、コロナ禍やウクライナ危機などで景気が上向くタイミングで何度もブレーキがかかり、中小企業の守り志向が強まった可能性がある。また、家賃などが比較的安く暮らしやすいことが、賃上げへのインセンティブを弱めている面もあるという。

服部氏はさらに、2014年ごろは自動車関連産業が好調で、県内の景気が良かったとも説明する。実際、毎月勤労統計調査によると、2014年の県内の現金給与総額は月31万6102円で、2010~2023年の中で最も高い。2014年の「経済的豊かさ」1位は、いわば「瞬間風速」だった可能性がある。

県の見解

三重県の人材確保・外国人政策調整課の加藤竜将課長は、全国順位の急落にやや困惑しつつも、「名古屋や大阪という都市部の間にあり、住みやすいことに変わりはない」と前向きに語った。

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