高市首相が唱える「総合的な国力」強化、安保3文書改定の議論本格化へ
高市首相の「総合的な国力」強化、安保3文書改定議論本格化

政府は、国の外交安全保障政策の基本方針となる「国家安全保障戦略(NSS)」など、安全保障関連3文書の改定に向けた議論を本格化させる。高市早苗首相が唱えるのは「総合的な国力」の強化だが、その具体像や実効性についてはなおあいまいなままだ。

「総合的な国力」の強調

「日本の総合的な国力を徹底的に強くしていくことが大事だ」――4月27日、安保3文書の改定に向けた有識者会議「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の初会合で、高市氏はこうあいさつした。長期化するウクライナ戦争や中東情勢に言及し、「新しい戦い方への対応や長期戦への備えを進めなければならない」と語った。

「総合的な国力」は、高市氏こだわりの言葉だ。2025年の自民党総裁選で、「総合的な国力を強化する」と主張。首相就任後の施政方針演説でも、強化を訴えてきた。

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従来の国力概念との違い

岸田内閣が2022年に策定したNSSでは、「国力」について「外交力」「防衛力」「経済力」「技術力」「情報力」の5分野を挙げている。これに対し、高市氏の「国力」は、さらに「人材力」を加えたのが特徴だ。この考えは、内閣府担当相時代の文書に既に表れている。

高市氏はこれまで、外相や防衛相として安全保障政策に関与してきた経歴を持つ。今回の有識者会議では、約20人の専門家が参加し、年内にも提言をまとめる見通しだ。改定後の新たなNSSでは、高市氏の「人材力」強化の具体策がどこまで反映されるかが焦点となる。

課題と今後の展望

しかし、「総合的な国力」の具体像や実効性については、依然としてあいまいな部分が多い。特に、防衛費の増額や非核三原則の扱いなど、従来の安全保障政策の転換点となる可能性があるだけに、国民を巻き込んだ議論が不可欠だ。有識者会議の議論は、今後本格化する見通しで、その行方が注目される。

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