高島平団地で学生が提案する暮らし向上の実証実験、電動モビリティに期待
高島平団地で学生提案の暮らし向上実証実験

東京都板橋区の都市再生機構(UR)高島平団地で、シニア世代の暮らしやすさを向上させる取り組みが進められている。地元の大東文化大学生らが中心となり、住民のニーズを反映した施設やサービスのアイデアを提案し、実証実験を行ってきた。2年間にわたるプロジェクトの成果が、このほど発表された。

「高島平ゆめのまち産官学連携プロジェクト」とは

このプロジェクトは「高島平ゆめのまち産官学連携プロジェクト」と名付けられ、URとトヨタモビリティ東京、板橋区も参画している。共通目標は「すべての人に寄り添う」こと。大東文化大学社会学部社会学科の飯塚裕介准教授(都市計画学)のゼミに所属する学生たちは、2024年度に団地内の未活用スペースを活用した施設案を提示した。具体的には、あまり使われていない駐車場や子ども用プール、空き地をカフェなどに一新する計画だ。2025年度には施設案に関するアンケートを実施し、住民65人から回答を得た。

電動モビリティの実証実験に高い関心

URによると、アンケートで最も関心と期待を集めたのは電動モビリティの実証実験だった。学生たちの施設案では、カフェに小型モビリティを設置し、広大な団地内の移動を支援する構想が含まれていた。実証実験は昨年9月、団地の端にある26街区から都営三田線高島平駅までの往復約1.2キロのコースで実施。トヨタの小型電動車「シーウォーク」など3輪で歩道も走行可能な車両に試乗してもらった。学生たちが付き添う中、駅まで往復した団地住民の山田けい子さん(75)は「乗り心地が良くて、レンタルがあればいいな」と話す一方、「時速4キロだと遅い。指でずっとレバーを押すのは疲れる」と改善点も指摘した。

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成果発表と住民の反応

実証実験やアンケートの結果を踏まえ、学生たちは大学でプロジェクトの成果を発表した。拡張現実(AR)を使って施設案を住民に体験してもらった試みには、「高齢者目線でも考えられていて安心した」「わくわくした」などの感想が寄せられた。一方、住民への聞き取りでは「採算が取れる持続可能性はあるのか」と厳しい質問も出た。学生たちは「ニーズの把握と同時に、運用面まで含めた検証が不可欠。提案は一度で完成せず、検証と改善を繰り返すもの」と締めくくった。

学生の成長と今後の展望

プロジェクトに2年間携わった法隆桃音さん(4年)は「高島平団地は緑が多く、子どもたちも住みやすい。住民の方から話を聞いて地域への愛を感じた」と振り返る。住民の話を聞くのが楽しかったことから、就職の希望先に「寄り添う仕事」を加えたという。高島平団地では一部を賃貸タワーマンションに建て替える計画が進んでおり、学生リーダーの諏訪光羽さん(4年)は「これから開発が進む中で、私たちが2年間考えてきたことが少しでも生きればうれしい」と期待を込める。UR側も「団地の将来を描くうえで欠かせない道しるべとなるはずだ」と評価している。

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