大阪・中之島図書館、指定管理者応募ゼロで直営に 人件費高騰で文化イベント大幅縮小へ
中之島図書館、指定管理者応募ゼロで直営に イベント縮小

大阪・中之島図書館、指定管理者制度の公募に応募ゼロ 人件費高騰が影響

大阪府立中之島図書館(大阪市北区)において、2026年度以降の文化事業や施設運営を担う指定管理者の公募に、民間事業者の応募がなかったことが明らかになった。背景には人件費の高騰により採算が合わない事情があるとみられている。この結果、同図書館は4月以降、大阪府による「直営」方式に戻ることとなり、これまで実施されてきた多彩なイベントや市民講座が大幅に縮小される見通しとなった。

文化拠点としての取り組みと指定管理者制度の導入

大阪府は2016年度から、業務効率化と民間のノウハウを活用する目的で、中之島図書館に指定管理者制度を導入してきた。この制度のもと、図書館は「つながる文化ステーション」を目指し、文学講座や朗読劇のワークショップ、建物のガイドツアーなど、多様な催しを企画してきた。2024年度には約400回のイベントが開催され、約7万人が参加するなど、文化拠点としての役割を果たしてきた。特に昨年12月の大阪・関西万博関連の企画展では、約3万人が訪れる盛況ぶりを見せていた。

公募の経緯と人件費高騰の影響

指定管理者の任期は5年間で、大阪府は昨年8月に2026年度以降の事業者を公募したが、申し込みがなかった。府の担当者によれば、応募を検討していた事業者から「人件費高騰のため、提示された価格では採算が難しい」との声が寄せられたという。これを受けて府は、入札の参考価格を当初の4億7746万円(5年間)から5億250万円に増額し、昨年12月に再公募を実施したものの、応募はゼロのままだった。

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この結果、2026年度からは府の直営運営に戻ることとなり、図書館で開催されるイベントはビジネス支援セミナーなどに限定され、大幅に減少することが予想される。府の担当者は「指定管理者が決まらず、文化事業の縮小を余儀なくされ、重く受け止めている。今後、どのような運営のあり方がよいのか検討したい」とコメントしている。

他の府施設の状況と今後の展望

一方、本の貸し出しなど従来の図書館業務については、別の業者に委託しているため、影響はないとされている。大阪府によると、2025年度に実施した指定管理者の公募7件のうち、入札が不調となったのは中之島図書館を含め4件だった。このうち、中央図書館(東大阪市)と男女共同参画・青少年センター(大阪市中央区)は、委託費を見直すなどの措置を講じた2回目の入札で応募があり、引受先が決定した。もう1件の臨海スポーツセンター(高石市)は老朽化や不採算が指摘されており、2026年度は現在の事業者が運営を継続するものの、存廃について検討が進められている。

この問題は、人件費高騰が公共施設の運営に与える影響を浮き彫りにしており、大阪府内の他の施設でも同様の課題が生じている可能性がある。中之島図書館の事例は、文化事業の維持と財政的持続可能性のバランスをどう取るかという、より広範な議論を呼び起こすものとなっている。

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