岡山県が新たに4件の文化財を指定 県重文や名勝に「野崎家別邸迨暇堂」など
岡山県が新たに4件の文化財を指定 県重文や名勝に (04.03.2026)

岡山県が新たに4件の文化財を指定 県重文や名勝に「野崎家別邸迨暇堂」など

岡山県教育委員会は、倉敷市の「野崎家別邸迨暇堂」など計4件を新たに県重要文化財と県重要無形文化財、名勝に指定し、県重要無形文化財(工芸技術)の保持者に2人を認定すると発表しました。正式な指定は今月中旬に行われ、指定書の交付は今月下旬を予定しており、これにより県の文化財は514件(追加指定は含まず)、保持者は15人となります。

野崎家別邸迨暇堂:和洋融合の大規模木造建築が評価

野崎家別邸迨暇堂は、大規模な塩田地主であった野崎武吉郎(1848~1925年)が建てた迎賓館的施設で、1896年に建築された主屋など、和と洋を融合させた大規模木造建築として高く評価されました。主屋や庭園内の二つの茶室など木造の計8棟と門柱1対で構成されており、歴史的価値が認められています。

宮山墳丘墓出土品:弥生時代後期の重要な考古資料

総社市の「宮山墳丘墓」から出土した刀や鏡、特殊器台など計12点も重要文化財に指定されます。この墳丘墓は弥生時代後期の前方後円墳で、前方後円墳の成立過程や被葬者の性格などを考察する上で重要な考古資料と位置づけられています。

妙教寺庭園:山麓の斜面を生かした名勝景観

名勝に指定されるのは、「最上稲荷」として知られる最上稲荷山妙教寺(岡山市北区)の妙教寺庭園(寒松庭)です。山麓の斜面を巧みに生かした石組みや背後の山を借景にした奥行きある景観で、鑑賞上の価値が高いとされました。造られた時期は不明ですが、寺の家相図から江戸時代後期には概観が成立し、大正時代に現在の形になったとみられています。

重要無形文化財保持者:漆芸と木工芸の伝統技術を継承

重要無形文化財保持者には、塩津容子氏(78歳、総社市)を認定します。塩津氏は、朱色の漆で文様を描いて透明な漆で仕上げる県独自の漆芸「描蒟醤」の技法を体得し、主に自然を題材に細密な筆遣いで文様を描き、伝統的ながらも高いデザイン性で評価を得ています。描蒟醤そのものも今回、重要無形文化財に指定されました。

また、木工芸の川野正毅氏(84歳、新見市)も保持者として追加認定されます。川野氏は木の塊をくりぬいて器などを作る技法「刳物」に精通しており、木工芸の保持者の認定は3人目となります。

追加指定と解除:文化財の管理と更新

県は他に、2024年度に県重要文化財に指定した岡山市北区の「吉備津彦神社」について、社殿再建工事に関わる棟札2枚を追加指定する予定です。一方、個人が所有していた重要文化財の刀2口については、県外に移動したため指定を解除します。これらの措置により、文化財の適切な管理と保存が図られています。