東京都の出生数が10年ぶり増加、小池知事「成果」強調も周辺県から批判
東京都の出生数10年ぶり増加 小池知事「成果」強調も批判

東京都内で2025年に生まれた子どもの数(出生数)が8万5064人となり、10年ぶりに増加に転じたことが、厚生労働省が3日に公表した人口動態統計(概数)で明らかになった。全国の出生数は67万1236人と過去最少を更新する中、東京都は富山、石川、香川の3県とともに増加を記録した。

10年ぶりの増加、背景にあるもの

東京都の出生数は2020年に10万人を割り込んで以降、毎年4~5%の減少が続いていた。2024年には減少幅が2.5%と緩やかになり、2025年には前年比で約850人増加した。しかし、2023年の8万6000人台には届いていない。

一方、合計特殊出生率は0.96で、全国平均の1.14を下回っている。これは未婚女性の流入が多い都の特性によるものとされる。婚姻数は7万9481組で、2年連続の増加となった。

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小池知事「チルドレンファースト」の成果

小池百合子知事は5月29日の定例記者会見で、「チルドレンファーストを徹底してきて、政策が実りつつある」と述べ、2016年の就任以来の取り組みを強調した。都は待機児童対策、保育料無償化、男性育休推進、18歳以下への月5000円支給「018サポート」、高校授業料実質無償化などを実施。不妊治療や卵子凍結、無痛分娩の費用助成も行っている。2025年度当初予算では子育て関連に計2兆2000億円を計上した。

結婚支援にも積極的で、「令和8年」にちなんだキャンペーンを展開し、AIマッチングシステムの提供などに2023年度から総額15億円を投じている。

周辺県からの批判と都の反論

こうした支援策に対し、埼玉、千葉、神奈川の3県知事は関東地方知事会議で「子ども政策の地域間格差は看過できない」と都を批判。都への住民流出も指摘されたが、都は「出産年齢のピークである30代は周辺3県への転出超過」と反論。0~14歳の転入は横ばいで転出は減少しており、「子育て支援策が住民の定着につながっている」と主張している。

専門家の評価と今後の課題

都の「子供・子育て会議」会長を務める山本真実・東洋英和女学院大教授は、「手厚い予算で継続した支援が、安心して子育てできる基盤と前向きな空気感を生んだ」と評価。一方で、都の取り組みを全国に広げるには、財源や地域の伝統的な家族観などの壁があると指摘する。

山本教授は2022年に設置された子供政策連携室にも言及し、「各部署の施策をまとめ、子どもの権利に力を入れる組織の成果は大きい」と話す。しかし、子どもの自殺や貧困、メンタルヘルス悪化などの課題は深刻で、「生まれた子が幸せに暮らせる社会でなければ少子化は止まらない。子どもの育ちを考えた課題解決がさらに必要だ」と訴えた。

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