長射程ミサイル配備で高まる住民不安 政府の説明不足に静岡・熊本で懸念の声
ミサイル配備で住民不安 政府説明不足に懸念

長射程ミサイル配備で高まる地元住民の不安 政府の説明不足が批判を呼ぶ

敵基地攻撃能力(反撃能力)を有する初の国産スタンド・オフ・ミサイルが、2026年3月末に陸上自衛隊の健軍駐屯地(熊本市)と富士駐屯地(静岡県小山町)へ配備されました。この配備を巡り、地元住民の間では安全保障上の懸念が急速に高まっています。特に、イラン情勢を背景に民間人への被害が現実化していることから、有事の際に自らの地域が攻撃対象となる可能性への不安が広がっています。

政府の対応に及ばぬ姿勢 住民説明会の開催拒否

政府はこうした住民の不安に対して、十分な説明を行おうとしていません。地元説明会の開催を求める声が強まる中、防衛省制服組トップの内倉浩昭統合幕僚長は3月13日の記者会見で、「不安は承知しているが、スタンド・オフ能力を保有することで抑止力を高める効果の方が大事だ」と述べ、住民の懸念を軽視する発言を行いました。この発言は、政府が住民の声に真摯に向き合わない姿勢を象徴するものとして、大きな反発を招いています。

さらに、木原稔官房長官(衆院熊本1区選出)は2月20日の記者会見で、地元説明会に関して「実施する予定はない」と明言しました。熊本県議会でも昨年12月、住民説明会を求める請願が不採択となり、自民会派が大半を占める議会の対応が問題視されています。ある市民は「そういう土地柄だから最初の配備先に選ばれたのでは」と声を潜め、選定過程への疑念を表明しました。

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地元住民の抗議活動と平和への願い

住民らは粘り強く抗議活動を続けています。2月23日には約1200人が集まり、健軍駐屯地を囲む「平和の輪」を形成しました。この活動は、住民らが昨年9月に立ち上げた「ストップ!長射程ミサイル・県民の会」が主催し、説明会の開催を求めるプラカードが掲げられました。団体代表の山下雅彦東海大名誉教授(72)は「ミサイル配備を進める人たちは、怖くないんですか」と素朴な疑問を投げかけ、政府の姿勢に疑問を呈しています。

地元在住の楳本光男さん(66)は、駐屯地前にある市民病院を指さし、「自衛隊がいるところは危険ではないという判断で移ってきたのに」と語りました。熊本地震で被災し、7年前にこの場所へ移転してきた楳本さんは、政府が直接説明をしない姿勢に疑問を抱き、「平和の輪」の企画に携わりました。半径2キロ以内には小中学校が約20校もあり、スーパーやマンションが目前にある駐屯地が長射程ミサイルや弾薬庫を保有することへの懸念は当然のものと言えます。

司令部の地下化計画と住民の安全への懸念

健軍駐屯地には西部方面隊の総監部があり、防衛省は有事に攻撃される事態を想定し、司令部の「地下化」計画を進めています。この計画の存在自体が、住民には司令部が敵からの攻撃を前提としているように映り、さらなる不安を煽っています。熊本被爆二世・三世の会の青木栄会長(64)は「有事に司令部は守る一方で住民はどうなるのか。抑止力を高めると言うが、ミサイル配備が逆に戦争を近づけていないか」と疑問を呈し、安全保障政策の矛盾を指摘しました。

政府は抑止力の強化を掲げていますが、地元住民の生命と安全を軽視するような対応は、民主主義の根幹を揺るがす問題です。静岡県と熊本県の住民は、今後も説明責任を果たすよう政府に求め続ける姿勢を示しており、この問題は地域を超えた国家的な議論へと発展する可能性が高いと言えるでしょう。

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