長射程ミサイル配備で統幕長「抑止力向上が優先」 地元不安には丁寧説明を約束
2026年3月13日、自衛隊制服組のトップである内倉浩昭・統合幕僚長は定例記者会見において、今月末に予定されている長射程ミサイルの配備に関する地元住民の懸念について問われ、明確な見解を示しました。内倉統幕長は「ご指摘のような不安よりも、抑止力と対処力を高める効果の方がはるかに大きい」と述べ、防衛力強化の重要性を強く主張しました。
熊本と静岡への配備計画と地域の懸念
自衛隊は3月31日、いわゆる敵基地攻撃能力(反撃能力)を担う長射程ミサイルを、陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)と富士駐屯地(静岡県小山町)に配備する予定です。この決定は、国際情勢、特にイラン情勢においてミサイル攻撃の応酬が続いていることを背景に行われています。
特に住宅地に隣接する熊本の健軍駐屯地周辺では、住民から「有事の際に標的にされるのではないか」といった不安の声が上がっています。防衛省はこれまで、地元住民向けの正式な説明会を開催しておらず、この点が批判の対象となっていました。
統幕長の見解と今後の対応
内倉統幕長は会見で、地元の不安について「承知している」と認めた上で、以下のように述べました。
- 長射程ミサイルの配備は、日本の安全保障において抑止力を高める上で極めて重要である。
- 地域の方々の懸念には理解を示し、引き続き丁寧な説明を続けていく方針である。
- 防衛力強化と地域社会の安心を両立させる努力を惜しまない。
この発言は、防衛政策の推進と地域住民の納得を得るためのバランスを取ろうとする姿勢を明確に示しています。現在の国際的な緊張状態を考慮すると、抑止力の向上が急務である一方で、国内における理解と協力も不可欠であることが浮き彫りになりました。
背景と今後の課題
長射程ミサイルの配備は、日本の防衛戦略の大きな転換点となるものです。イラン情勢では、ミサイル拠点やペルシャ湾岸の米軍施設への攻撃が相次いでおり、こうした現実を踏まえた対応が求められています。
しかし、防衛省が地元住民への説明を十分に行っていない点は、今後の課題として残されています。内倉統幕長が約束した「丁寧な説明」が具体的にどのような形で実施されるかが注目されます。安全保障の強化と地域社会の平穏をどのように調和させるかが、今後の重要な論点となるでしょう。



