国際原子力機関(IAEA)は11日、ロシアが占拠するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所で、10日に外部電源が喪失したことを公式X(旧ツイッター)で明らかにした。同原発からドニプロ川を挟んだ対岸に位置する変電所が攻撃を受けたことが原因とみられる。現在は非常用ディーゼル発電機で対応している。
外部電源喪失は19回目
IAEAの発表によれば、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年2月以降、ザポリージャ原発での外部電源喪失は今回で19回目となる。同原発には6基の原子炉があるが、現在はすべて冷温停止状態にある。ただし、冷却には引き続き電力が必要であり、電源喪失は安全性に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
変電所攻撃の詳細
今回の電源喪失は、原発からドニプロ川を挟んだ対岸にある変電所が攻撃されたことによる。この変電所は原発への外部電力供給を担っており、その機能が停止したことで原発側の外部電源が失われた。攻撃の主体については明らかにされていないが、ロシア軍によるものとみられる。
非常用電源で対応中
原発側は直ちに非常用ディーゼル発電機を起動し、原子炉の冷却に必要な電力を確保している。IAEAは現地の状況を監視しており、さらなる情報収集を進めている。同原発では過去にも同様の電源喪失が繰り返し発生しており、原子力安全上の懸念が高まっている。
国際社会の反応
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、ザポリージャ原発の安全性を確保するため、周辺地域での軍事活動の即時停止を繰り返し呼びかけている。しかし、現地では依然として戦闘が続いており、原発の安全確保は困難な状況にある。国際社会からは、ロシアに対して原発周辺の非武装化を求める声が強まっている。
ウクライナ政府も今回の電源喪失を非難し、ロシアの原発占拠がもたらす危険性を改めて指摘している。同原発は欧州最大級の原子力発電所であり、事故が起きた場合の影響は計り知れない。



