中朝首脳会談、非核化棚上げの懸念 中国の無責任な姿勢を批判
中朝首脳会談、非核化棚上げの懸念 中国の無責任な姿勢

中朝首脳会談、非核化を棚上げか

中国の習近平国家主席が7年ぶりに北朝鮮を訪問し、朝鮮労働党の金正恩総書記と会談した。今回の訪問には、北朝鮮に対する中国の影響力を改めて示す狙いがあったとみられる。しかし、非核化を後回しにして北朝鮮との関係改善を優先する姿勢は、国際社会の安全保障にとって大きな問題である。北朝鮮の核開発は日本だけでなく、世界全体の脅威となっており、中国の無責任な態度は批判されても仕方ない。

会談の内容と非核化の不在

会談では、貿易拡大に加え、軍事や科学技術分野での協力強化で一致した。中国はこれまで朝鮮半島の非核化を推進してきたが、7年前の習主席訪朝時には米国との非核化協議継続を金氏に促していた。しかし、今回の両国発表には非核化への言及が一切なく、中国が北朝鮮の核開発を黙認しているのではないかとの懸念が強まっている。

中国の焦りと国際戦略

中国は北朝鮮の最大の貿易相手国だが、新型コロナウイルス流行後、北朝鮮が感染拡大を恐れて中国との交流を停止したため、両国間の貿易は減少した。一方、北朝鮮はウクライナ侵略を続けるロシアに接近し、派兵や武器支援の見返りとして軍事技術やエネルギー支援を受けたとされる。習主席は、露朝関係がさらに緊密化すれば自国の影響力が低下するという焦りから、今回の訪問に踏み切った可能性がある。

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習主席は自らを新たな国際秩序の担い手として印象づけようとしており、先月は米露首脳を相次いで北京に招いた。9月には訪米も予定されている。トランプ米大統領は米朝首脳会談に意欲的であり、習主席は米朝の仲介役を担う用意があると示す狙いもあったとみられる。

北朝鮮の思惑と今後の影響

今回の会談は北朝鮮にとって有利に働いた。非核化に焦点が当たらず、「核保有国」としての立場を既成事実化することに成功したとみられる。また、中国との多分野での協力を確認できたことも成果だ。会談で習主席は、中朝友好協力相互援助条約に触れ、両軍の交流拡大の意向も示した。北朝鮮が中露の協力を得て核・ミサイル能力をさらに向上させれば、東アジアの安全保障環境は一段と悪化するだろう。

日本政府に求められる対応

日本政府は自国の防衛力強化を急務とし、日米韓の安全保障協力を深化させる必要がある。また、トランプ氏に対しては、北朝鮮の核開発を安易に容認しないよう粘り強く説得すべきだ。

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