イスラエル軍、レバノンで救急車への攻撃をWHOに通知 医療従事者保護を訴える声高まる
レバノンの国営通信は4月10日、同国南部において複数の救急車や消防車に対する攻撃があったと報じた。この攻撃は、親イラン民兵組織ヒズボラの掃討を掲げて地上侵攻を続けるイスラエル軍によるものとみられている。イスラエル軍は事前に、救急車も攻撃対象となり得る旨を世界保健機関(WHO)に通知していたことが明らかになった。
WHO代表がオンライン会見で危機感を表明
WHOレバノン事務所のアブバカル代表は10日、オンライン記者会見を開催し、イスラエルからの通知があったことを確認した。彼は、医療従事者や救急車は国際人道法の下で保護されるべきであると強く訴え、攻撃が継続すれば医療品の不足により多くの人命が失われる可能性があると指摘した。レバノンにおける医療体制は既に深刻な危機に直面しており、この状況がさらに悪化することを懸念している。
イスラエル軍の主張と攻撃の正当化
イスラエル軍側は、「ヒズボラが救急車を軍事目的で利用している」と主張し、その利用が続く限り攻撃を行う方針を発表している。過去にも、ヒズボラの戦闘員や武器の輸送に救急車が使用されたとして、同様の攻撃を正当化してきた経緯がある。この主張は、国際社会から批判を浴びる可能性が高いが、イスラエル軍は自らの行動を防衛措置として位置づけている。
レバノン医療施設への攻撃の実態
WHOの報告によれば、イスラエル軍による攻撃が再開されて以降、レバノンでは医療関連施設に対して106件の攻撃が記録されている。これにより、医療関係者57人が死亡し、負傷者も158人に上るなど、医療インフラは壊滅的な打撃を受けている。具体的な被害状況は以下の通りである。
- 攻撃件数:106件(医療施設関連)
- 医療従事者の死者:57人
- 負傷者:158人
- 影響:医療品不足、救命活動の妨害
このような攻撃が続けば、レバノン国内の医療システムは完全に崩壊する恐れがあり、一般市民の健康と安全が大きく脅かされることになる。国際社会からの監視と介入が急務とされている。



