イラン軍司令官が厳重警告「地獄の門が開く」 近隣諸国のインフラ施設を総攻撃へ
米国のトランプ大統領がイランのエネルギー施設への攻撃開始期限を設定する中、イラン軍中央司令部のアリ・アブドラヒ司令官は4日、攻撃があればイスラエルや近隣諸国のインフラ(社会基盤)を総攻撃する方針を明確に表明しました。既にイラン各地の電力・エネルギー施設が空爆され、前哨戦の様相を強めています。
「すべてのインフラ施設が制限なく標的に」
アブドラヒ司令官は、米国とイスラエルがイランのインフラを攻撃した場合について、「地獄の門が開く」と表現し、イスラエルや米軍基地を抱える近隣諸国の「すべてのインフラ施設が制限なく標的となる」と厳しく警告しました。この発言は、米国による攻撃期限が迫る中での強硬姿勢を示すものです。
イランは攻撃に対する報復措置として、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を実施し、世界経済を混乱に陥れています。同国は弾道ミサイルや無人機などの戦力を維持しているとみられ、応酬の激化によって経済への影響が深刻化することが確実視されています。
既に始まっている攻撃と報復の連鎖
イラン国内では既に3月末以降、首都テヘランや隣接するアルボルズ州などで電力関連施設が空爆され、停電が発生しています。アッバス・アラグチ外相は4日、国連事務総長らに宛てた書簡を公表し、中部ナタンツの核施設や南部ブシェール原子力発電所など、3月に核施設が攻撃された7事例を報告しました。特にブシェール原発への攻撃は4度に上り、今月4日には1人が死亡する事態となっています。
イラン側の報復攻撃も続いており、イスラエル軍が4日に西部マフシャフルの石油化学施設を攻撃したことを受けて、5日には近隣諸国への攻撃を実施しました。
- クウェートでは2か所の電力・淡水化施設がイランの無人機に攻撃されました。
- バーレーンでも石油関連施設で無人機の攻撃による火災が発生しています。
- アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでは、迎撃された飛翔体の破片によって複数の石油化学工場に被害が出ました。
地上作戦への警戒と国民動員
イラン側は米軍の地上作戦への移行を警戒しており、12歳以上の国民を対象に後方支援の志願者募集を開始しました。アミール・ハタミ軍司令官は2日、各部隊の司令官に監視の強化を指示し、地上作戦の動きがあれば「一人たりとも生かしておくな」と命じるなど、戦闘態勢を整えています。
この状況は、中東地域全体の安全保障環境を大きく揺るがす可能性があり、国際社会の懸念が高まっています。エネルギー施設をめぐる攻防が、地域全体のインフラ破壊へと拡大する危険性が指摘されています。



