イラン軍報道官、ホルムズ海峡の封鎖を明確に否定 船籍に応じた対応方針を表明
【ドバイ=吉形祐司】イラン軍報道官は6日、国営テレビのインタビューにおいて、海上輸送の要衝であるホルムズ海峡について「封鎖しておらず、今後も封鎖するつもりは一切ない」と明確に否定した。さらに、米国とイスラエルに関連しない船舶については、海峡の通過を認める方針を明らかにした。この発言は、産油国が多く存在するペルシャ湾岸諸国との関係を重視する姿勢を反映していると分析されている。
船籍次第で異なる対応 米国・イスラエル関連船は攻撃対象に
報道官はインタビューの中で、「海峡を通過したい船舶については、基本的に航行を許可する方針だ。ただし、米国とイスラエルに関係する船籍の船舶については、攻撃の対象となる」と具体的に説明した。これにより、船籍に応じて異なる対応をとるという新たな方針を示した形だ。
これまで、イランの精鋭軍事組織である「革命防衛隊」の関係者は、ホルムズ海峡を封鎖する可能性に言及していたが、今回の報道官の発言は、その態度を軟化させたものと受け止められている。この変化は、地域の緊張緩和に向けた動きとして注目される。
近隣諸国との関係改善を意識 大統領の政策転換も背景に
イランはこれまで、米国やイスラエルからの攻撃に対する報復として、米軍基地が存在する近隣諸国への攻撃を繰り返してきた。しかし、マスード・ペゼシュキアン大統領が7日にこうした攻撃の中止を発表しており、報道官の発言は、この政策転換に沿ったものと考えられる。近隣諸国との関係改善を試みるイランの外交努力が、海上安全保障の分野にも反映されている可能性が高い。
一方で、革命防衛隊の報道官は6日、トランプ米大統領がホルムズ海峡における米軍によるタンカー護衛の検討を表明したことを受けて、対抗措置をとる構えを示した。過去に米船籍のタンカーが機雷の被害を受けた事件を挙げて威嚇するなど、米国に対する強硬姿勢も併せ持っている。
ホルムズ海峡は、世界の石油輸送の約3分の1が通過する国際的な海上交通の要衝であり、その安全保障は全球的なエネルギー供給に直結する。イランの今回の方針表明は、中東情勢の安定化に寄与するか、あるいは新たな対立を生むか、今後の動向が注視される。



