中東情勢緊迫化で米国人退避が遅延、トランプ政権の対応に批判の声
情勢が不安定化している中東地域からの米国人の退避作業が遅れている問題で、後手に回る対応が目立つトランプ政権に対して批判が強まっている。米国務省が5日に明らかにしたところによると、戦闘が始まった2月28日以降、約2万人の米国人が中東から帰国したという。しかし、米メディアはまだ数千人が現地に取り残されていると報じており、政府の不手際を指摘する声が上がっている。
ホットラインでの不適切対応と遅れた退避勧告
特に問題視されているのが、ルビオ国務長官が支援を求める人々に電話をするよう呼びかけたホットラインでの対応だ。一時的に「米国政府による出国や避難の支援に頼らないでください」という自動音声が流れたことが明らかになり、危機管理の不備が露呈した。
さらに、国務省が中東の15か国・地域に退避勧告を出したのは戦闘が始まってから3日目となる3月2日だった。この時点ではすでに空域の閉鎖が進んでおり、民主党上院議員からは「現政権の戦略と計画がゼロであることを示す明白な証拠だ」との厳しい指摘がなされている。
カタールへの対応遅れとトランプ大統領の釈明
カタールについても、国務省が訪問の再考を求める「レベル3」に引き上げたのは3月1日で、それまでは日本と同じ「レベル1(通常の注意)」のままだった。対応の遅れが顕著に表れた事例と言える。
4日に記者団から対応のまずさを問われたトランプ大統領は、「すべてがあっという間に起きたからだ」と釈明した。しかし、この説明に対しては、危機管理の基本ができていないとの批判が続いている。
挽回を図る政権側の対応強化
批判を受けて挽回を図るトランプ政権は、4日に最初のチャーター機が中東から米国に向けて出発したと発表し、「地域全体に増便する」と強調した。ルビオ氏らは、ホットラインも24時間体制で対応していると繰り返し説明している。
現在の中東情勢は、米イスラエル両軍の激しい空爆を受けているイランが、ドローン(無人機)などで報復攻撃を行っている状態だ。標的は湾岸諸国にある米軍基地や米大使館などだが、被害はホテルや空港などの民間施設にも及んでおり、状況は緊迫している。



