「人間の強さ感じた」ガザで50日間活動した小杉郁子医師が語る現地の真実
ガザ50日間活動の小杉医師「普通の人々が苦しむ現実知って」 (06.04.2026)

「人間の強さ感じた」ガザで50日間活動した小杉郁子医師が語る現地の真実

国境なき医師団(MSF)日本副会長を務める福井県済生会病院の外科医、小杉郁子さん(57)が、昨年12月から今年1月にかけて約50日間にわたってガザで行った医療活動を振り返り、本紙に貴重な証言を寄せた。現地で感じた「人間の強さ」と、日本の人々に伝えたいメッセージについて語った。

笑顔とたくましさに触れた現地の光景

小杉医師がガザで最も印象に残ったのは、人々の笑顔だったという。水や食料といった生活必需品が不足する厳しい環境の中でも、MSFのスタッフをはじめとする医療従事者や患者たちはたくましく生活を営んでいた。

「『自分だけが良ければいい』という雰囲気は一切なく、互いを気遣う優しさがそこにはありました」と小杉医師は振り返る。破壊された建物や不足する物資にもかかわらず、人々はしっかりと日常生活を送っており、その姿に深い感銘を受けたという。

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具体的なエピソードとして、ごみ収集のスタッフが通りかかった小杉医師に笑顔を向けてくれたことや、出されたごみ袋の口がきちんと結ばれていたことを挙げた。「マナーが守られ、秩序ある生活が営まれていることに驚きました」と語る。

報道されないガザの現実を記憶に留めて

目まぐるしく変化する世界情勢の中で、ガザの状況は他のニュースの陰に隠れがちだと小杉医師は指摘する。「報道されなくなったからといって、ガザの状況が改善されたわけではありません」と強調する。

長引く紛争と深刻な物資不足に苦しむ地域があることを、より多くの人々に知ってほしいという思いから、自身の経験をリポートとして発信している。小杉医師は「私のリポートを通じて、ガザの現実を記憶に留めていただきたい」と訴える。

日本に住む私たちにできること

現在、日本に住む人々にできることについて問われると、小杉医師はまず「関心を持つこと」を挙げた。人の興味は多様であることを認めつつも、少しでも多くの人にガザの現状に関心を持ってもらうことが重要だと考える。

「周囲の人にガザの状況を伝え、『種をまく』ことが第一歩です」と語り、情報を共有することの意義を説いた。

「普通の人々」が直面する過酷な現実

日本の人々に最も伝えたいこととして、小杉医師は「ガザで暮らしているのは『普通の人々』だということ」を強調した。紛争前には学校に通い、仕事を持ち、家族と共に日常生活を送っていた人々が、現在は過酷な現実に直面している。

「テロ組織のメンバーではなく、私たちと何ら変わらない人間が苦しんでいるという事実を知ってほしい」と訴える。小杉医師の言葉は、遠い地で起きている紛争を他人事ではなく、人間として共感すべき問題として捉えるよう促している。

約50日間にわたるガザでの活動を通じて、小杉郁子医師は人間の強さと優しさを目の当たりにした。その経験から得たメッセージは、国際社会の一員としての私たちの在り方を問いかけている。

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