米国のトランプ大統領は10日、ホワイトハウスで記者団に対し、7月に見直し時期を迎える自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」について、「更新するつもりはない」と明言した。この発言は、協定の見直し交渉を前に、カナダとメキシコに対して強い揺さぶりをかけ、米国にとって有利な条件を引き出そうとする意図があるとみられる。
USMCAとは
USMCAは、2020年に発効した北米3か国間の自由貿易協定で、域内で生産された製品が一定の条件を満たせば関税が免除される仕組みだ。協定には6年ごとの見直し条項が盛り込まれており、今回が初めての見直し時期となる。米国は見直しに際し、関税免除の条件として、域内での部品調達率の厳格化などを求めており、カナダとメキシコにさらなる譲歩を迫る構えだ。
日本企業への影響
日本の自動車大手各社は、USMCAを活用してカナダやメキシコの工場で生産した車両を米国に輸出している。協定の見直しによって部品調達基準が厳しくなれば、これらの企業のサプライチェーンやコストに影響が出る可能性がある。業界関係者は、今後の動向を注視している。
トランプ大統領はこれまでも、米国の貿易赤字を問題視し、二国間交渉を重視する姿勢を示してきた。今回のUSMCA更新拒否の発言も、そうした基本方針に沿ったものとみられる。今後の交渉次第では、北米の貿易構造に大きな変化が生じる可能性もある。



