違法とされた「トランプ関税」によって徴収された1660億ドル(約26兆円)について、米国政府が5月11日ごろから払い戻しを開始することが明らかになった。この手続きを監督する米国際貿易裁判所(CIT)の判事が、裁判所に提出した書面で明らかにしたもので、関税を巡る一連の法的紛争に新たな展開が見られる。
還付システムの稼働状況
4月28日付の書面によると、米国税関・国境警備局(CBP)が構築した還付システムは4月20日に稼働した。このシステムを通じて、払い戻しを求める輸入業者からの申告のうち約21%がすでに正式に受理されているという。これにより、多くの企業が迅速に手続きを進められる体制が整いつつある。
手続き完了企業の実績
4月9日の時点では、5万6497社の輸入業者が関税の払い戻しを受ける手続きを完了しており、総額は1270億ドル(約19.9兆円)に上る。これは、違法関税の影響を受けた企業にとって大きな救済となる。
背景と今後の見通し
トランプ関税は、米連邦最高裁判所が2月に違法判断を下したことで、その返還が求められていた。今回の払い戻しは、この判決を受けた措置である。米政府は、還付システムのさらなる改善を進め、残る申告についても迅速に対応する方針だ。
輸入業者の中には、関税支払いによる資金繰りの悪化を懸念する声もあったが、今回の払い戻しで一定の救済が期待される。一方、関税を巡る訴訟はなお2000件以上に上っており、今後の動向が注目される。



