ドイツ連邦政府は10日、フランスやスペインなどと共同で進めてきた次世代戦闘機「将来戦闘航空システム(FCAS)」の開発計画が中止されたことを受け、今後の国際共同開発プロジェクトに参加する際には、ドイツが「主導的役割」を果たすことを条件とする方針を明らかにした。この方針は、同日公表された航空分野に関する戦略文書に盛り込まれた。
メルツ首相、中止を前向きに評価
メルツ首相は10日の演説で、FCAS計画の中止について「長年にわたる行き詰まりを解消するものだ。これにより、産業界が新たな道筋で最新鋭の戦闘機を製造する機会が開かれる」と述べ、計画中止を前向きに評価した。FCASは2017年に独仏首脳が合意し、2019年にスペインが加わって開発が進められてきたが、各国の要求仕様の違いや役割分担をめぐる対立から、近年は停滞していた。
今後の選択肢と不透明感
ドイツ政府は、FCASに代わる次世代戦闘機開発の選択肢として、日本、英国、イタリアの3カ国が進める「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」への参加を検討しているとの観測がある。しかし、GCAPはすでに基本設計段階に入っており、ドイツの参加がどの程度受け入れられるかは不透明だ。また、ドイツが主張する「主導的役割」が、他国の同意を得られるかどうかも未知数である。
ドイツの航空産業は、FCASの開発中止により、次世代戦闘機の開発能力維持に課題を抱える可能性がある。政府は国内産業の競争力強化を図るため、新たな国際協力の枠組み構築を急ぐ方針だ。



