アジア太平洋経済協力会議(APEC)の貿易相会合は23日、中国江蘇省蘇州で2日目の協議を行い、同日閉幕した。日本からは赤沢亮正経済産業相が出席し、急速に冷え込む日中関係の立て直しに向け、王文濤商務相との個別の対話機会を模索した。
日中関係の現状と課題
台湾有事が存立危機事態になり得るとした昨年11月の高市早苗首相による国会答弁後、日中の政治・経済交流は停滞。本格的な閣僚同士の対話が行われれば、問題となった首相の答弁以降では初となる。
赤沢経産相の意欲
赤沢氏は初日の22日に記者団に「機会があれば(王氏と)さまざまな話題について話をしたい」と意欲を示していた。今月中旬に上海で行われたAPECの別の会合には黄川田仁志・男女共同参画担当相が出席したが、中国の閣僚との個別会談は実現しなかった。
今後の展望
今年は中国がAPECの議長国で、11月には広東省深圳で首脳会談が開かれる。日本政府が目指す高市氏と習近平国家主席による首脳会談の実現に向け、閣僚の接触が試金石となる。
APECは日本や米国など21の国・地域で構成される経済協力の枠組み。今回の貿易相会合では、自由貿易の推進やサプライチェーンの強靭化などが議題となった。赤沢氏は会合で、ルールに基づく多国間貿易体制の重要性を強調したとみられる。
日中両国は経済面での相互依存関係が深く、貿易や投資の拡大が双方にとって利益となる。しかし、安全保障や歴史認識などを巡る対立が長年にわたり続いており、政治関係の改善が課題となっている。今回のAPECを機に、閣僚レベルでの対話が進展するか注目される。



