ドイツの有力紙フランクフルター・アルゲマイネは10日、同紙が昨年8月に掲載した東部テューリンゲン州のマリオ・フォイクト州首相名義の寄稿文について、人工知能(AI)によって生成された可能性が極めて高いと判断したことを明らかにした。この寄稿文は電子版から削除され、記事アーカイブでの閲覧も不可能となった。
寄稿文の内容と問題点
削除された寄稿文は、児童や青少年を保護する観点から、14歳未満の子どもにスマートフォンを与えるべきではなく、ソーシャルメディアの利用も16歳になるまで許可すべきではないと主張する内容だった。また、学校へのスマートフォン持ち込みも禁止すべきだと訴えていた。この内容自体は社会的な議論を呼ぶテーマだったが、問題はその執筆方法にあった。
AI検知プログラムによる確認
同紙は外部から、この寄稿文がAIで生成された可能性があるとの指摘を受けた。これを受け、同紙はAI生成を検知するプログラムを用いて検証したところ、寄稿文全体がAIによって生成された可能性が高いとの結果が得られた。同紙はこの結果を重く見て、寄稿文の削除に踏み切った。
州政府への照会と回答
同紙はこの指摘についてテューリンゲン州政府に照会したが、州政府からは一般的な説明のみがなされ、十分な回答は得られなかったとしている。このため、同紙は独自の判断で削除措置を取らざるを得なかった。
メディアの信頼性への影響
今回の一件は、AI技術の進展がメディア業界に新たな課題を突きつけた事例として注目される。著名な政治家名義の文章がAIで生成され、そのまま掲載された可能性があることは、読者の信頼を損なう重大な問題だ。同紙は今後、寄稿文の真偽確認を徹底する方針を示している。



