井村屋グループは今月5日、津市の本社内に新設した「アイスFACTORY」を報道陣向けに公開した。約40億円を投じた鉄骨2階建ての工場では、主力商品「あずきバー」の供給力向上を目指し、1時間に2万8800本、1日で最大50万本の追加生産が可能となり、従来比で生産能力が3割増加するという。
「行進」するあずきバー、圧巻の製造ライン
新工場内では、1列に16本並んだあずきバーが30の隊列を成し、まるでマーチングバンドのような正確な動きでベルトコンベア上を進む。薄小豆色のアイスバーが頭上を小刻みに移動する様子は圧巻で、その後横に倒され、包装されて箱詰めされる。1回の工程で480本が同時に製造されるこのラインは、見る人をくぎ付けにする。
あずきバーの歴史と進化
井村屋はかつて、ぜんざいやようかんなどの小豆製品が主力だった。アイス市場の拡大に伴い、自社で小豆を炊き、あんこを作る強みを生かし、「ぜんざいを凍らせたようなアイス」の開発に成功。1973年にあずきバーの本格販売を開始し、現在では看板商品として定着している。
岩本康社長(62)は、コンビニエンスストアやスーパーが増え始めた40年前に入社。当時はぜんざいなどを担当し、「右肩上がりで成長するアイス部門は花形で、『そっちはいいな』と思っていた」と振り返る。
多様化するニーズに対応
既存工場では主に1本または6本入りの製品を生産しているが、新工場では3~5本での包装も可能になり、家族形態の多様化を考慮した商品の量産が実現。将来的には、餅入り、フルーツ、チョココーティング、ミニサイズなどの「進化形あずきバー」の開発も構想されている。
また、米国やアジアへの輸出を拡大し、年間販売本数を2025年度の3億3500万本から4億本に引き上げる目標を掲げる。岩本社長は「日本のアイスの原点を自負している。老若男女、みなさんに食べていただける商品にしていきたい」と意気込みを語った。



