成田空港「第2の開港」で発着枠50万回へ、JALとANAが収益拡大へ対応策を相次ぎ発表
成田空港拡張で発着枠50万回、JAL・ANAが対応策発表

成田空港の拡張で発着枠が大幅増、航空・鉄道各社が収益拡大へ対応急ぐ

2029年に予定される成田空港の拡張計画を商機と捉え、航空や鉄道の大手企業が対応を加速させています。発着枠が年間30万回強から50万回に増加し、訪日外国人客や国際貨物の需要拡大が見込まれるためです。各社は需要増を取り込む態勢を整え、収益拡大を目指しています。

日本航空、格安航空会社の再編でアジア路線拡大を狙う

日本航空の斎藤祐二副社長は、決算記者会見で「成田空港の拡張をビジネスチャンスと捉え、アジアの短距離路線の拡大を目指す」と強調しました。日航は同日、傘下の格安航空会社「ジェットスター・ジャパン」の株主構成を見直し、日本政策投資銀行が出資することを発表。現在は日航が50・0%、豪カンタス航空が33・3%出資していますが、カンタスは2027年6月までに全株式を政投銀に売却します。

政投銀は過去に経営破綻した日航やスカイマークの再建に関わった経験があり、そのノウハウを生かしてジェットスターの収益力強化を図る狙いです。これにより、成田空港の拡張に伴う需要増に対応できる体制を整えています。

成田空港の拡張計画で「第2の開港」が実現へ

2029年の成田空港拡張では、既存の2本の滑走路に加え、新たに3500メートルの滑走路が新設され、計3本に増えます。また、既存の滑走路の1本は2500メートルから3500メートルに延伸されます。運用時間の延長により発着枠が増加するほか、旅客ターミナルの新設や貨物施設の集約も検討されており、「第2の開港」とも呼ばれています。

首都圏では羽田空港の発着枠増加が難しい中、成田空港の拡張は訪日客や国際貨物の増加に対応する重要な役割を担うと期待されています。全日本空輸の芝田浩二社長は「成田の拡張は今後5年間で最大のビジネスチャンス」と述べ、積極的な対応を表明しています。

全日本空輸、国際事業の拡大とブランド再編で収益増を目指す

全日本空輸は1月30日、国際旅客事業と国際貨物事業の規模を2030年度までに3割増やす目標を公表しました。高収益の北米路線を増強し、訪日客やアジアと欧米間の国際貨物などの需要取り込みを狙います。また、2025年秋には、成田を拠点とする国際線ブランド「エアージャパン」を2026年3月で休止し、フルサービスのANAに機材や人員を集中させて収益増を図る方針も発表しました。

このように、ANAは成田空港の拡張を機に、事業の効率化と拡大を同時に進める戦略を打ち出しています。

鉄道輸送力の強化も検討、京成電鉄が計画発表

成田空港へのアクセス向上を目指し、鉄道の輸送力強化も進められています。京成電鉄は13日、空港付近の単線区間の複線化や途中にある複線区間の複々線化により、運行本数の増加を図る計画を発表しました。特に単線区間では列車同士がすれ違えず、輸送力増強の制約となっていたため、この改善が期待されています。

桜美林大学の戸崎肇教授は「観光立国の推進に向け、成田空港の役割は増していく。旅客や貨物の需要、都心への輸送力などのバランスを取るため、官民が連携して準備を進めていくことも必要だ」と指摘しています。

成田空港の拡張は、航空業界だけでなく、関連する鉄道や物流業界にも大きな影響を与えるプロジェクトです。各社が対応策を相次ぎ発表する中、今後の動向が注目されます。