福島空港は、観光をはじめとする本県産業を支える重要な存在である。その利活用をさらに促進し、機能の維持と強化を図ることが急務となっている。
搭乗者数、震災後最多を記録
福島空港の2025年度の搭乗者数は28万1422人に達し、新型コロナウイルス禍前の2018年度を約1万4000人上回り、東日本大震災以降で最多となった。これは、国内線が大阪、札幌、沖縄の3路線、国際線も韓国・ソウル、中国・上海の2路線が就航していた2010年度の28万6000人に迫る水準である。
増加要因と課題
県は、大阪・関西万博効果により大阪線の搭乗者数が増加したことなどを主な要因と分析している。しかし、一方で新型コロナウイルス禍以降のリモートワーク普及により、商談などで利用するビジネス客が全国的に減少している。また、燃料費の高騰もあり、国内線を運航する航空会社の利益率は低下傾向にある。
搭乗率の現状
大阪線、札幌線とも搭乗率は70%台前半で、採算ラインとされる80%を下回っている。まずは現行路線の維持に向けて、搭乗率を向上させることが不可欠である。
県の支援策
県は大阪線について、福島空港利用者の利便性が高い朝の福島発と夕方の伊丹発の運航費用を航空会社に助成している。札幌線では、搭乗率が低下する冬季の旅行商品を開発する旅行会社に補助金を交付するなどの対策を講じている。
しかし、これらの取り組みは搭乗率の低さを補う対症療法にとどまっている。大阪線からの乗り換えによる九州や四国への移動需要や、札幌線を活用した北海道からの誘客強化など、新たな需要の掘り起こしに県は知恵を絞るべきである。
国際線の展望
国際線では、台湾とのチャーター便が本県のインバウンド誘客の多くを占める状況が継続している。県はチャーター便の利用促進に向け、台湾便を利用して渡航する県民のパスポート取得費用の補助などを行っている。
今後の焦点は定期便化の実現である。定期便は年間を通じた運航が担保でき、長期的な誘客が図りやすいなどの利点がある。県は台湾側と本県側双方で利用者を増やし、定期便化の環境を整えることが重要だ。
韓国便の復活
2025年7月と10月には、韓国の航空会社として13年ぶりとなる韓国チャーター便が運航される。震災前まで、韓国便は定期便として年間3万人の利用があった。県は6月議会に提出する補正予算案に、韓国向けパンフレットの作成などの費用を計上している。日韓関係は一時期の最悪の状況を脱しており、この追い風を生かしてチャーター便の実績を積み重ね、韓国との往来をいかに震災前の水準に戻せるかが県に問われている。



