市販の日本酒の頂点を決める品評会「SAKE COMPETITION(サケ コンペティション)2026」において、火災からの酒蔵再建を目指す笹正宗酒造(喜多方市)の出品酒が2位に入賞した。岩田悠二郎社長(39)は、広がる再建支援の動きに感謝しつつ、「今年の酒造りが評価された。まだ理想の酒には及ばないが、良い酒ができた。本当にうれしい」と力を込めた。
上位候補に残っていた「ささまさむね 特別純米」が純米酒部門で2位という高い評価を受けた。出品酒は「香りは控えめで、食事に合い、酸味とうま味のバランスが取れた良い酒」に仕上がったという。
1日に発生した火災では、酒蔵のほか、国の有形文化財に指定されていた建物や保管していた日本酒などが失われた。酒蔵再建は始まったばかりで、再建までどの程度の期間がかかるかは未定だ。しかし火災後、古くからの酒蔵のファンや地元の酒蔵、酒販店などからの励ましや支援の動きが大きな励みとなっている。
「再建してお酒を出すところまでが恩返しだと思っている」と岩田社長。再建に向けて「秋を目標に、協力してくれる蔵に間借りして仕込みを行い、量は少なくても県内を中心に酒を出していきたい」と語る。
岩田社長は、火災直後となった今回の受賞も踏まえ、「受賞は再建の後押しになる。笹正宗は今年で創業208年を迎えた。愛される『笹正宗』の名を後世に残すため、次の200年に向けて新しい基盤を築いていきたい」と語った。
支援の輪が広がる
再建に向けて笹正宗酒造を支援する動きも広がっている。4日に県酒造組合が開始した義援金募集には、国内外から1日数十件の振り込みが寄せられているという。海外からクレジットカードで振り込む方法についての問い合わせもあり、今後対応を検討する。募集期限は設けていないが、今月末までに集まった金額を一度、酒造に届ける予定だ。
10日には、酒蔵の地元である喜多方市国際交流協会が同酒造に義援金約4万円を寄付。岩田社長が中学生の時、姉妹都市交流事業で米国ウィルソンビル市の短期研修に参加したことが縁で、同協会ウィルソンビル同窓会長の瓜生賢恵さんが「再建に役立ててほしい」と届けた。
支援の動きは海外にも広がっており、県産日本酒を扱っているオランダの北海水産の関係者による再建支援のクラウドファンディングも始まっている。
県酒造組合の再建応援義援金の振込先は東邦銀行中町支店、普通預金487473、口座名義は福島県酒造組合。問い合わせは同組合(電話024・573・2131)へ。



