全国一の養殖カキ生産量を誇る広島県の一部海域で昨年、カキが大量死した問題を受け、県の有識者会議は26日、原因について暫定意見を取りまとめた。20度超の高水温の長期化や梅雨の降水量不足など複合的な要因が重なったとの見解を示した。
複合的な要因が重なる
会議後、取材に応じた座長の浜口昌巳福井県立大教授によると、昨年は産卵を誘発する梅雨時期の降水量が過去50年で4番目に少なく、死ぬリスクが高い状態にあった。気候変動の影響により20度超の海水温の日数が長期化していることや、雨が少ないことによる餌環境の変化が重なり、大量死に至ったとした。一部海域では高塩分も影響した。
気候変動の影響が顕著に
有識者会議では、気候変動に伴う海水温の上昇がカキの生息環境に深刻な影響を与えていると指摘。特に、産卵期の高水温が長期化することで、カキの体力が消耗し、死亡率が上昇するメカニズムが確認された。また、少雨による塩分濃度の上昇や、プランクトン量の変化もカキの成長に悪影響を及ぼした可能性が高い。
- 高水温の長期化:20度超の日数が増加
- 降水量不足:梅雨時期の降雨が過去50年で4番目に少ない
- 高塩分:一部海域で塩分濃度が上昇
県は今後、さらなる調査を進めるとともに、養殖業者への対策支援を検討する方針。カキ養殖は広島県の基幹産業の一つであり、今後の再発防止が急務となっている。



