大阪取引所新社長が世界からの投資家集積を目指す
大阪取引所の社長に2026年4月1日付で就任した多賀谷彰氏(58)が、朝日新聞などの取材に応じ、世界から投資家を集めるための積極的な取り組みを明らかにしました。同取引所は現在、金融派生商品(デリバティブ)の専門市場として機能しており、その国際競争力をさらに高める構想を打ち出しています。
デリバティブ市場としての役割と価値
旧・大阪証券取引所が東京証券取引所との統合を経て大阪取引所に商号変更したのは2014年のことです。統合前は株式取引の場でもありましたが、現在は先物取引などデリバティブ商品の取引が主力となっています。特に将来の日経平均株価(日経225)を予想して取引する先物商品が中心的な商品です。
先物取引は、取引時点で将来の価格を織り込むことができるため、価格変動リスクを回避する手段として広く利用されています。多賀谷社長は、この大阪の市場に海外の投資家をより多く呼び込むことに力を入れていく方針を強調しました。
資本市場における相互補完的な関係
取材に対し、多賀谷社長は取引所の価値について次のように語りました。「取引所の価値は、市場を利用する方に、いつでも納得のいく価格で取引ができる機会を提供することです。現代の資本市場は現物取引とデリバティブ取引が支え合っています。デリバティブが多様な資金の流れを生み出すことで、現物取引にも厚みが出るのです。」
この発言は、デリバティブ市場が単独で存在するのではなく、株式などの現物取引と相互に補完し合う関係にあることを示しています。大阪取引所がデリバティブに特化することで、東京市場との差別化を図りつつ、日本全体の資本市場の深化に貢献する役割を担おうとしています。
国際的な投資家誘致への具体的な取り組み
多賀谷社長は、海外投資家の誘致に向けて、市場の流動性向上や取引環境の整備に注力する意向を示しました。具体的には、取引時間の拡大や海外投資家向けの情報提供の強化、国際的なマーケティング活動の活発化などが検討されています。
大阪取引所が位置する大阪市中央区北浜は、歴史的に金融の街として知られてきました。この地の利を生かし、アジアを中心とした海外投資家にとってアクセスしやすい市場を目指すことで、世界の金融センターとしての地位を確立したい考えです。
新社長の下、大阪取引所はデリバティブ市場の専門性をさらに高め、国際的な投資家にとって魅力的な取引プラットフォームとなることを目指しています。今後の展開が、日本の金融市場全体に与える影響にも注目が集まります。



