中部電力、浜岡原発のデータ不正問題で詳細な報告書を提出
中部電力は、浜岡原子力発電所(静岡県)の再稼働審査に関連する「基準地震動」データの不正操作問題について、原子力規制委員会に詳細な報告書を提出しました。この問題は、原子力事業者としての適格性に重大な疑問を投げかける事案として注目されています。
複数回の内部指摘と計画の不備が明らかに
報告書によると、2018年以降、地震動を策定する原子力土建部内から、データの選定手法が審査資料に適切に記載されなかったことや、計算手法に対する疑問が複数回にわたって指摘されていたことが判明しました。さらに、策定時の詳細な個別業務計画が明確にされていなかったことも、組織的な問題点として浮き彫りになりました。
31日に名古屋市東区で行われた記者会見で、中部電力の林欣吾社長は「浜岡原発を運営する原子力事業者の適格性を問われる問題だと痛切に感じている」と述べ、深く陳謝しました。今後、原子力部門以外の部門や社外との人事交流を強化し、業務の透明性を確保する取り組みを進める方針を示しました。
別の工事不正問題も同時に報告
これとは別に、中部電力は同日、浜岡原発で行われた工事の不正手続き問題についても、経済産業省に報告書を提出しました。昨年11月には、原子力部門が調達部門を経由せずに取引先に工事の仕様変更を依頼し、正式な契約変更手続きを行っていなかったことが明らかになっていました。
報告書では、不正の原因として、調達部門が仕様変更を把握する仕組みが不十分だった点などを指摘。相次ぐ不正問題について問われた林社長は、「組織風土に問題がある。二度と起こらないようにしたい」と述べ、根本的な改革の必要性を強調しました。
組織の立て直しが急務に
中部電力では、浜岡原発を巡る不正事案が相次いで発生しており、組織全体の立て直しが急務となっています。原子力規制委員会からの厳しい審査が予想される中、信頼回復に向けた具体的な対策が求められる状況です。
今後の課題
- 業務プロセスの透明性向上
- 部門間の連携強化と監視体制の整備
- 組織風土の抜本的な見直し
- 原子力事業者としての適格性の再確認
中部電力は、これらの問題を機に、原子力安全文化の再構築に全力で取り組むことを表明しています。地域社会や関係機関からの信頼を回復できるかが、今後の重要な焦点となるでしょう。



