中東情勢の悪化に伴い、原油由来のナフサ(粗製ガソリン)を原料とする資材の不足や価格高騰が、徳島県内の各業界に深刻な打撃を与えている。ナフサは食品容器や包装資材、エンジンオイルなど幅広い製品に使用されており、関係者は対応に追われている。
包装資材の品薄と価格上昇
包装資材小売店「yパック」小松島店の齋藤敏博店長(51)は、「そもそも商品が入ってこないため、企業努力でどうにかなる状態ではない」と打ち明ける。4月末からメーカーの仕入れ値が2~3割上昇し、販売価格を値上げせざるを得なかった。メーカーも在庫が少なく出荷に慎重で、発注から納品までの時間が従来の2倍以上に延びている。
現在品薄となっているのは、ポリ袋やレジ袋、冷凍食品用の真空パックなど。5月から新規発注ができなくなり、「1家族200枚まで」と販売個数を制限している。6月からは弁当や総菜容器の価格も上昇し、店頭で値上げを告知している。齋藤店長は「一人でも多くの方の手に渡るようにしたいが、先行きが見通せず不安だ」と語る。
運送業界への深刻な影響
運送業界も影響は深刻だ。県トラック協会の湯浅恭介会長は「運送業は社会基盤を支えているが、経営状況は苦しい。会社を続けていけるような支援を望む」と訴える。エンジンオイルや荷崩れ防止フィルム、ディーゼル車用の尿素水容器などが品薄となり価格も高騰。特に長距離輸送の会社では、燃料費だけで月に100万円以上の追加負担が発生しているケースもある。
農業や他業界への波及
小松島市でシイタケを栽培する県農業法人協会の浜田光且副会長は「価格転嫁は難しく、本業以外での収益化を考えないといけない状況」と嘆く。シイタケ栽培に欠かせない包装資材や、菌床ブロック殺菌用の燃料などに遅れが出ているという。5月22日には、県トラック協会や県畜産協会、県森林組合連合会などが後藤田知事と面会し、供給確保や経営支援を要望した。
県の対応と補正予算
県は5月29日に「中東情勢・原油(原材料)価格高騰等対応連絡会議」を開催し、阿波銀行や県商工会議所連合会など20団体が意見交換。製造業や建設業、小売業で資材不足や価格高騰の影響が報告され、納品遅延や新規受注停止に追い込まれる企業があることが明らかになった。小原広行経済産業部長は「関係団体と密に連携しながら未曽有の状況を乗り越えていく」と述べた。
県は4月27日から中東情勢悪化の影響を受ける事業者向けの「特別相談窓口」を設置。資金繰り支援や調達難など、6月9日時点で10件の相談が寄せられている。6月9日に発表した補正予算案では、中小企業向け融資制度「経済変動対策資金」に新たな融資枠(6億円)を設定。さらに、エコドライブに取り組む運送事業者への支援(2億2600万円)や、農業用ハウスビニールなどの被覆資材価格高騰分への補助(1億9200万円)を計上した。



