日本銀行は10日、植田和男総裁が肝嚢胞(かんのうほう)感染症の治療のために入院したことを明らかにした。これにより、15日と16日に予定されている金融政策決定会合は予定通り開催されるものの、植田総裁は欠席することとなった。議長の職務は氷見野良三副総裁が代理を務め、決定会合後の記者会見には内田真一副総裁が出席する予定である。
入院の経緯と今後のスケジュール
日銀の発表によれば、植田総裁は9日に検査を受け、その後入院した。決定会合には書面で意見を提出するが、議決には参加せず、副総裁2人と審議委員6人の合計8人で議決が行われる。議案に対する可否が同数の場合は、議長が決定権を握る。入院期間は約2週間を見込んでおり、入院中はリモートワークで公務を遂行する。7月の決定会合には出席する見通しとされている。
金融政策決定会合の焦点
日銀は6月の決定会合で、現在0.75%程度の政策金利を1.0%程度に引き上げる公算が大きい。追加利上げが実現すれば、1995年9月以来、約31年ぶりの高水準となる。市場では、植田総裁の入院が政策決定に与える影響は限定的とみられているが、副総裁による議長代理の下で、全会一致の判断が求められる可能性もある。
日銀はこれまで、物価上昇リスクを強調し、緩やかな利上げ姿勢を示してきた。今回の決定会合では、追加利上げの是非に加え、国債買い入れの運用見直しなども議論される見通しだ。



