出光社長「とにかく世界中から」 原油代替調達進展も負担増が課題
石油元売り大手の出光興産を率いる酒井則明社長が10日、朝日新聞社のインタビューに応じ、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けた原油の代替調達について見解を示した。同社長は、海峡外からの原油確保に一定のめどがついたことを明らかにする一方で、中東産以外の原油の精製には通常以上の労力や時間がかかり、コスト面での課題が残るとの認識を述べた。
ホルムズ海峡の封鎖以降、日本政府や石油元売り各社は、海峡を経由しない中東産原油や米国などからの調達を積極的に進めている。政府の発表によると、6月分の輸入量は前年同期の実績の約8割に達する見通しだ。
酒井氏は「とにかく世界中から調達可能な原油を確保する方針でスタートした。海外の関係機関とも連携し、一定程度は安定して確保できる見通しが立った」と語り、代替調達の進展を強調した。しかし、その一方で「中東産以外の原油は性状が異なるため、精製工程で追加の処理が必要となり、労力や時間が通常よりかかる。これに伴うコスト増が課題だ」と指摘した。
同社長は、今後のエネルギー安全保障の観点から、調達先の多様化とともに、国内の製油所の設備改修や効率化の必要性にも言及。長期的には、中東依存度を低減するための投資が不可欠との考えを示した。また、政府に対しては、代替調達に伴うコスト増を価格転嫁できる環境整備や、備蓄制度の柔軟な運用を求める意向を明らかにした。
今回のインタビューは、世界的なエネルギー供給の不安定化が続く中、日本のエネルギー政策の転換点を占う内容となった。



