米航空宇宙局(NASA)は26日、米国主導で日本も参加する有人月探査「アルテミス計画」の中核となる、月面基地建設の新たな工程を発表した。2029年までにドローンで建設地点の調査を進め、32年までに宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月面探査車(与圧ローバー)を配備。32年以降には大型居住施設を建設する計画だ。
アルテミス計画の背景と競争
アポロ計画以来、半世紀ぶりに月を目指すアルテミス計画は、同じく月面開発を目指す中国と競い合っている。中国は30年までに有人月面着陸、30年半ばまでにロシアと協力して月面基地を建設することを想定。これに対抗し、アルテミスは28年に目指す有人着陸を足がかりに、月面基地建設を進めることを目指していた。
工程の詳細
NASAの発表によれば、月面基地建設は3段階で進められる。第1段階では、2029年までにドローンを用いて建設予定地点の詳細な調査を実施。第2段階では、2032年までにJAXAが開発する与圧ローバーを月面に配備し、移動手段と初期の居住スペースを確保する。第3段階では、2032年以降に大型居住施設を建設し、長期的な有人滞在を可能にする。
これらの工程は、アルテミス計画の有人月面着陸目標である2028年以降を見据えたものであり、中国の月面開発計画に対する優位性を確保する狙いがあるとみられる。
JAXAの与圧ローバーは、月面での移動と居住を両立する車両として開発が進められており、日本の宇宙技術の国際的なプレゼンス向上に貢献することが期待されている。NASAはまた、国際協力の枠組みを活用し、各国の技術や資源を結集して基地建設を効率的に進める方針を示している。



