カイロス3号機、25日に3度目の打ち上げ挑戦 和歌山・串本町から小型衛星5基搭載
小型ロケット「カイロス」3号機が2月25日、和歌山県串本町の発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられる。宇宙新興企業「スペースワン」(東京)が18日、オンライン説明会を開き、ミッションの詳細と意気込みを語った。今回の打ち上げは、過去2回の失敗を経て、積み重ねてきた努力と挑戦の象徴として位置付けられている。
ミッションの詳細と打ち上げスケジュール
カイロス3号機は全長約18メートルで、国の主力ロケット「H3」の3分の1以下のサイズだ。通信の実証実験用など、民間や教育機関が開発した5基の小型人工衛星を搭載する。宇宙空間に到達し、計画通りの軌道に乗せた後、各衛星を放出する「軌道投入」の成功が最大の目標となる。
打ち上げは25日午前11時から20分の間に予定されている。3号機は南へ向かい、3段のエンジンを順に分離させ、南米大陸上空の宇宙空間に到達する。発射から53分35秒後に最初の衛星を切り離し、その後6~7秒間隔で1基ずつ放出。発射から54分1秒後には全ての分離を終える計画だ。
天候の影響と交通規制
ロケットは形状や電子機器の搭載により、上空の強風や大雨、雷などの天候影響を受けやすい。打ち上げ延期の場合は、同社のホームページなどで告知される。
打ち上げに伴い、県は発射場近くの国道42号の串本町津荷から那智勝浦町の「玉之浦トンネル」西側まで、計約10キロ区間を駐停車禁止とする交通規制を実施する。この区間には田原海水浴場(串本町)と旧浦神小学校(那智勝浦町)の公式見学場への経路も含まれる。2024年3月の初号機打ち上げ時は渋滞対策として部分的な規制だったが、効果を高めるため2号機から今回同様の措置が取られている。
スペースポート紀伊周辺の地上や海域には、打ち上げ前後の立ち入りを禁止する「警戒区域」が設定されており、県などは注意を呼びかけている。
過去の失敗を乗り越えて
カイロスは2024年に2回打ち上げたが、想定の飛行ルートをそれるなどして爆破し、いずれも失敗に終わっている。説明会で豊田正和社長は「3号機は今、発射場の組み立て足場の中で静かに立っている。まさに積み重ねてきた努力と挑戦の象徴だ。未来へ向かう重要な通過点として、挑んでいく」と語り、今回のミッションへの強い意気込みを示した。
この打ち上げは、日本の民間宇宙開発における新たな一歩として注目を集めており、成功すれば小型衛星の実用化に向けた道筋が開かれることになる。
