伝統校の栄誉、宇宙に輝く 明善高校が小惑星の名前に採用
福岡県内有数の伝統校である県立明善高校(久留米市)が、小惑星の名前に採用されるという栄誉に輝いた。小惑星「Meizen」は、火星と木星の間を公転する天体で、直径は推定約3.3キロメートル。この命名は、同校の長い歴史と教育への貢献を宇宙規模で称えるものとして、地域や教育関係者から大きな関心を集めている。
アマチュア天文家の情熱が実を結ぶ
小惑星「Meizen」を発見したのは、札幌市在住のアマチュア天文家・渡辺和郎さん(70歳)だ。渡辺さんは1993年にこの小惑星を観測で捉え、以来、長い間名前がついていなかった。これまでに800以上の小惑星を発見している渡辺さんは、日本の高校が小惑星の名前に採用される事例は極めて珍しいと指摘する。
命名のきっかけは、昨秋にさかのぼる。渡辺さんと親交がある明善高校地球惑星部(旧天文部)の卒業生が、「母校の名を小惑星に付けてほしい」と依頼した。渡辺さんは「喜んでくれるならば」と快諾し、国際天文学連合(IAU)に命名を申請。厳格な審査を経て、正式に承認された。
命名式で渡辺さんが苦労語る
2026年2月24日、明善高校で「命名式」が執り行われた。式典では、渡辺さんが発見までの経緯や天文観測の苦労を詳しく説明。生徒や教職員らが熱心に耳を傾けた。渡辺さんは命名を記念した額を贈呈し、「明善高校の伝統と教育が、宇宙に永遠に刻まれることを願っています」と述べた。
明善高校は、江戸時代の久留米藩校を起源とする歴史ある学校で、科学教育や部活動に力を入れてきた。地球惑星部は天文観測で実績を積み、今回の命名につながる人的ネットワークを築いていた。
宇宙と教育をつなぐ稀有な事例
小惑星の命名は、国際天文学連合が定める厳格な基準に基づいて行われる。教育機関への命名は、その社会的貢献や歴史的意義が評価された証しだ。明善高校のケースは、地域の教育機関が宇宙科学と結びつく稀有な事例として、天文学や教育界で話題を呼んでいる。
今後、小惑星「Meizen」は、火星と木星の間を回り続け、明善高校の名を宇宙に刻みつける。この出来事は、生徒たちに科学への興味を喚起し、学校の誇りを高める効果が期待される。渡辺さんは「若い世代が宇宙に夢を抱くきっかけになれば」と期待を込める。
地域からは、「伝統校の新たな歴史的一章」として祝福の声が上がっている。明善高校関係者は、この栄誉を励みに、さらなる教育活動の発展を誓っている。



