厚生労働省は、人工知能(AI)を搭載した介護ロボットの実証実験を、2027年度までに全国の介護施設など100カ所で実施する方針を固めた。介護現場の深刻な人手不足を解消し、高齢者の自立を支援するのが狙いで、2026年度予算の概算要求に関連事業費を計上する。
実証実験の概要
実証実験では、AI搭載の介護ロボットを介護施設や高齢者宅に導入し、その効果や課題を検証する。具体的には、移乗介助や見守り、会話支援などの機能を持つロボットを想定している。厚労省は、2025年度中に参加施設を公募し、2026年度から順次実験を開始する計画だ。
期待される効果
- 人手不足の緩和:介護職員の負担を軽減し、離職防止につなげる。
- 高齢者の自立促進:ロボットが日常生活を支援することで、要介護状態の悪化を防ぐ。
- データ収集:AIが収集したデータを分析し、介護サービスの質向上に活用する。
背景と課題
日本の介護現場では、慢性的な人手不足が続いている。2025年には約243万人の介護職員が必要とされるが、現状では約215万人にとどまると推計されている。また、高齢化の進行に伴い、認知症高齢者への対応も課題となっている。
一方で、介護ロボットの導入にはコスト面や技術的なハードルが存在する。特に、AIの精度向上やプライバシー保護の仕組みづくりが求められる。実証実験では、こうした課題の解決策も探る。
今後のスケジュール
- 2025年度:施設公募、ロボット選定
- 2026年度:実証実験開始(約50施設)
- 2027年度:実験拡大(計100施設)、結果分析
厚労省は、実証実験の結果を踏まえ、2028年度以降の本格導入を目指す方針だ。また、介護ロボットの普及に向けて、補助金制度や安全基準の整備も検討する。



