和紙の人力飛行機「STORK」、航空宇宙技術遺産に認定 半世紀前に大学生が開発
和紙の人力飛行機STORK、航空宇宙技術遺産に認定

茨城県筑西市の「ザ・ヒロサワ・シティ」内にある科博廣澤航空博物館で展示公開されている人力飛行機「STORK(ストーク)」が、日本航空宇宙学会の航空宇宙技術遺産に認定されました。同学会は、「大学生により和紙と我が国の技術を使って世界最長を飛んだ人力飛行機」と高く評価しています。

半世紀前の学生たちの挑戦

STORKは、1975年から1977年にかけて、当時の日本大学理工学部の学生たちが卒業研究として開発した機体です。指導にあたったのは、著名な航空機設計者である故・木村秀政氏で、彼がコウノトリを意味する「STORK」と命名しました。機体の全長は8.85メートル、翼幅は21メートル。主な素材として和紙とバルサ材が使用され、総重量はわずか35.9キログラムです。1977年1月2日には2093.9メートルの飛行に成功し、当時の人力飛行の世界記録(非公認ながら)を樹立しました。

技術遺産としての価値

日本航空宇宙学会は、航空宇宙技術の発展に貢献した画期的な製品や技術を「航空宇宙技術遺産」として認定しています。STORKについては、「日本独自のものづくり技術を活かした機体を学生チームで製作し、世界記録を達成することで、人力のみでの飛行が可能であることを世界に示した。また、航空技術者の育成にも寄与した」として、2024年4月16日付で認定しました。

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学生チームのリーダーとして開発に携わった、岡山市の「ストーク記念 日本の飛行と科学伝承館」館長、石井潤治さん(72)は当時を振り返り、「和紙に荷重をかけて金属と同等の強度があることを確認し、バルサ材の比重を一つひとつ調べました。強度を保ちつつ軽くすることに注力しました。軽さとともに、精密さが生んだ小さな空気抵抗も特徴です」と語ります。また、「当時指導を受けた技術者たちと同じ年齢になって認定を受け、感慨深いです。若い世代に技術を伝えていきたい」と述べました。

展示の経緯と意義

STORKの機体は、国立科学博物館(東京)の資料などを収蔵するつくば市内の倉庫に保管されていましたが、2024年にザ・ヒロサワ・シティ内に乗り物のテーマパーク「ユメノバ」がオープンしたことを機に、科博廣澤航空博物館で展示されることになりました。同館での展示物の技術遺産認定は、戦後初の国産旅客機YS11と、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の試作機に続き、3例目となります。

博物館を運営する広沢商事の野口稔夫専務(70)は「技術遺産を含め、多くの展示物から伝わる技術と歴史を学んでほしい」と話しています。ユメノバは原則月曜定休で、入場料は5歳以上500円、大人2500円などとなっています。

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