今井美樹、8年ぶりの新作アルバム「smile」で自身の笑顔を取り戻す決意を表明
歌手の今井美樹が、8年ぶりの新作アルバム「smile」(ユニバーサル)をリリースした。夫の布袋寅泰ら家族と共にロンドンに移住してから13年が経過する中、本作は「自分のことを認めてあげたい」という強い思いが込められた作品となっている。
ロンドン生活での精神的葛藤と60歳での気づき
新作完成直後のインタビューで、今井はロンドンでの生活について語った。「ロンドンでの私は言葉が不自由なままで、自分らしくいられる場所かというと、決してそうではない。口には出さなかったけれど、精神的にものすごく頑張っていたということを、60歳になる直前に認めたんです」と、長年抱えてきた苦労を明かした。
還暦を迎える誕生日の前夜、友人夫婦から「ロンドンの生活はどう?」と尋ねられた際、普段なら「みんな頑張ってくれているから、大丈夫」と答えるところを、なぜか「大変ね」と本音が漏れてしまったという。海外移住は夫の夢を実現するための選択だったため、これまで夫の前でそんな言い方をしたことはなかった。
家族優先の生活と音楽活動の後回し
慣れない土地で、思春期の娘に向き合い、夫と娘を優先して自身の音楽活動は後回しにしていた。年齢を重ねるにつれて体調の変化を感じ、コロナ禍やウクライナ侵略など不安定な世界情勢も心を曇らせていた。「何も役に立てないという穴にはまっていくような感じだった気がします」と、当時の心境を振り返る。
「大変ね」の一言を夫がどう受け止めていたのか気になっていた誕生日に、布袋から60本のバラを贈られた。「彼はすごくハッピーな人。受け取った時、ぶわっと霧が晴れた気分になった。昨日まで何かが詰まっていて苦しかったのに、晴れやかで軽くて。それが60歳の誕生日でした」と、感動的な瞬間を語った。
全国ツアーでのファンとの絆と新作への思い
2023年と2024年には日本で全国ツアーを実施。ファンは同世代かその前後が多く、「家族の一員としての責任を抱えながら、一生懸命、前に進んでいる。どうしたら好きな自分でいられるのか、探しているんじゃないかな」と、聴き手と自身を重ねる同窓会のようなライブ体験を共有した。
長年抱えてきた思いを布袋や岩里祐穂ら作詞家、作曲家と共有し、生まれた歌の数々をアルバムに収録。さだまさしから楽曲提供を受けた「美しい場所~Final Destination~」は、長い旅を経てここにいる自分をいとおしむかのように歌っている。シンガー・ソングライターの川江美奈子による「Life is a journey」は、今井にとっての「マイ・ウェイ」のような大切な曲になった。また、「VOICE」には、最近海外録音を実現した優河がコーラスで参加している。
アルバム名に込められた願い
アルバム名「smile」には、「自分の笑顔を取り戻したい」との思いが込められている。今井は「聴き手にとっても『これは私のアルバムだ、俺のアルバムだ』と言ってもらえる作品になったんじゃないかな」と感じており、デビュー40周年を迎える今年、新作の仕上がりに「あ、これが40周年のアニバーサリーなんだな」と実感したという。



