在宅要介護高齢者の3割、預貯金の出し入れや支払いを一人で困難 内閣府調査で判明
在宅要介護高齢者の3割、預貯金出し入れ困難 内閣府調査 (20.03.2026)

在宅要介護高齢者の3割、預貯金管理に困難 内閣府調査が明らかに

内閣府が支援するプロジェクトチームの調査により、要介護認定を受けて地域で自立した生活を送る高齢者のうち、自身の預貯金の出し入れや家賃・公共料金の支払いを「一人でできない」と回答した人が、いずれも約3割に達することが判明した。この調査結果は、超高齢社会における金融資産管理の課題を浮き彫りにしている。

調査の詳細と具体的な数値

調査は2025年2月から4月にかけて、大阪府和泉市と共同で実施された。対象は要支援1・2および要介護1の認定を受けた市民約3千人で、平均年齢は82.8歳であった。回答者の大半は施設ではなく在宅で生活しており、約3割が独居世帯だった。

預貯金の出し入れを一人でできるかとの質問に対しては、29.2%が「できない」と回答した。同様に、家賃や公共料金などの支払いについても、30.5%が「一人では困難」と答えた。これらの割合は要介護度が上がるにつれて増加し、要介護1ではいずれも約61%に達した。

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特殊詐欺の被害実態と社会的背景

さらに、特殊詐欺の被害に「遭ったことがある」または「遭いそうになった」経験を持つ人は、合わせて約1割に上った。認知機能の低下に伴い、口座からの出し入れや金銭管理が難しくなる高齢者が少なくない現状が、こうした被害を招く一因となっている可能性がある。

このプロジェクトは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムの一環として実施されている。慶應義塾大学などのチームが中心となり、単身世帯の増加や平均寿命の延伸など、社会構造の変化に対応した新たな金融システムの構築を検討中だ。

金融資産保護と利活用の両立が課題

プロジェクトチームは、超高齢社会において認知症高齢者が増加する中、金融資産の保護と利活用の両面から支援体制を整える必要性を強調している。金銭管理が困難な高齢者が適切な支援を受けながら、自立した生活を維持できる環境づくりが急務となっている。

要介護度は介護の必要度に応じて7段階に分かれており、要支援1・2は要介護1~5よりも軽度とされる。数字が大きくなるほど介護の必要性が高まるが、今回の調査では比較的軽度の認定者でも金銭管理に課題を抱える実態が明らかになった。

今後の展望と社会的な取り組み

この調査結果は、高齢者や女性を包摂した社会づくりを推進する内閣府の取り組みにおいて、重要なデータを提供している。金融機関における困りごとを複数抱える高齢者への対応や、詐欺被害防止のための啓発活動など、多角的な対策が求められる。

単身世帯の増加と長寿命化が進む現代社会では、長期間にわたる金銭管理を支援する仕組みが不可欠だ。プロジェクトチームは、こうした社会的ニーズに応えるため、継続的な調査とシステム開発に取り組んでいく方針を示している。

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