愛媛・下灘駅のオーバーツーリズム、専属対応員で対策強化へ 渋滞やポイ捨てに住民苦悩
下灘駅の観光公害、専属対応員で対策強化 住民生活に影

愛媛・下灘駅のオーバーツーリズムに市が専属対応員を設置へ

美しい夕日を望める駅として知られる愛媛県伊予市双海町のJR下灘駅で、オーバーツーリズム(観光公害)が深刻な問題となっています。SNSでの拡散により国内外から多くの観光客が訪れるようになったことで、周辺の生活道は渋滞し、私有地への無断立ち入りやごみのポイ捨てが絶えません。これまでの市の対策では十分な解決に至らず、4月からはこの問題に専属で取り組む地域おこし協力隊員を双海町に配置する方針です。

観光客の急増で住民生活に影

下灘駅はテレビCMのロケ地にもなった人気スポットですが、現在、乗降客の送迎用以外の駅周辺への駐車は禁止されています。それにもかかわらず、石川県や茨城県、兵庫県、鹿児島県など、県外ナンバーの車が狭い市道を行き交い、路上駐車が頻繁に発生しています。市は約10年前に近くに20台ほどの臨時駐車場を設け、ライブカメラの映像を市観光物産協会のホームページで公開するなどの対策を講じてきました。また、路上駐車や私有地進入禁止の案内板も設置しましたが、効果は限定的です。

観光客のマナー違反は、住民の日常生活に直接的な影響を与えています。県外ナンバーの車が離合できずに立ち往生したり、駐車場への曲がり角を強引に進んでガードパイプや縁石に接触したりする事例が後を絶ちません。市は昨年5月から、3連休や大型連休、お盆期間などに臨時駐車場を閉鎖し、約1キロ離れた「しもなだ運動公園」の駐車場を利用するよう呼びかけていますが、根本的な解決には至っていません。

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平日でも溢れる観光客と危険な行為

今月12日、現地を訪れると、平日にもかかわらず、駅ホーム周辺には約200人の観光客が溢れていました。列車が停まるたびに数十人の観光客が降りてきて、混雑が続いています。JR四国から土日祝日の午後、列車到着時の注意喚起業務を委託されている福井早苗さん(77)は、平日もほぼ毎日、駅で対応にあたっています。トイレや周辺の清掃も続ける福井さんによると、外国人のマナーの悪さが目立ち、煙が出ているたばこのポイ捨てが多いといいます。

福井さんは深刻な状況をこう語ります。「住民が毎日、掃除をしているけど、たまったもんじゃない。列車が来るのに線路に入ろうとする人さえいる」。取材中にも、「駐車禁止」のポールを勝手に外して、レンタカーを示す「わ」ナンバーの車が近くに停まっている光景が見られました。福井さんがすぐに声を張り上げて注意すると、5分ほどして中国人男性が車に戻ってきました。このような光景が毎日のように繰り返されているそうです。

美しい風景を守るための新たな取り組み

福井さんは「本当は、この美しい風景の中に案内板はない方がいいんですけどね」とつぶやきます。市商工観光課の担当者は、新たな対策について「協力隊員と連携を密にしてマナーの啓発をやっていくしかない。住民の害になるものを少しでも取り除く」と述べています。専属の地域おこし協力隊員は、観光客への案内やマナー向上のための啓発活動に重点を置き、住民と観光客が共存できる環境づくりを目指します。

下灘駅のオーバーツーリズムは、単なる観光問題ではなく、地域社会の持続可能性を脅かす課題です。市の新たな取り組みが、美しい夕日の絶景を守りながら、住民の平穏な生活を取り戻す一助となることが期待されます。

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