大分県佐伯市に本社を置くウナギ養殖大手「山田水産」は11日、同市城下東町に県内初の直営販売店「うなぎの駅」をオープンした。看板商品の「完全無投薬」で養殖したウナギのかば焼きなどが並び、開店前から数百人が列を作った。
「完全無投薬」ウナギと完全養殖の挑戦
店舗は同社が運営してきた回転ずし店を改装。かば焼きのほか、全国の自社工場から直送した水産加工品、地魚を使ったすし、市の土産物などが陳列され、初日から多くの買い物客でにぎわった。直営販売店は鹿児島県志布志市に次いで2店舗目となる。
山田信太郎社長(52)は「以前から、社の原点である佐伯市の人たちに自社商品を直接手に取ってもらいたいと考えてきた」と話し、「全国の取引先などとも協力して、市民や佐伯を訪れた人たちに『デパ地下』気分で魚の買い物を楽しんでもらえる旗艦店にしたい」と意気込む。
創業から無投薬養殖への挑戦
同社は1973年、山田社長の父・陽一さん(2023年に81歳で死去)が鮮魚の運搬会社として創業。水産物の加工などに事業を広げ、97年に志布志市でウナギの養殖事業に参入した。「安全安心で、おいしいものを消費者に届ける」という理念の下、2001年から抗生物質などの薬剤を使わない「完全無投薬」のウナギ養殖に挑戦。初年は全体の約45%が死に、約3億円の損失を出したが、翌02年、日本で初めて養殖に成功した。
18年からは、ウナギの資源問題に立ち向かうべく、卵から人工孵化させて成魚にする「完全養殖」のウナギ生産に取り組み、今年5月に世界初となる商業化に向けた試験販売にこぎ着けた。量産化が進めば、店頭での販売も検討するという。
山田社長は「山田水産が挑戦を続けてこられたのは、関わり、支えてくれた全ての人たちの存在があるから。新店舗を通して、食にかける思いと感謝が伝わることを願っている」と語った。
営業時間は午前10時~午後6時(日曜は午後5時まで)、水曜定休(祝日の場合は翌日)。問い合わせは「うなぎの駅 佐伯店」(0972-28-5600)へ。



