世界遺産・大山古墳の観光気球、搭乗者3万人突破 人気上昇も風の影響で運休率4割
大山古墳の観光気球、搭乗者3万人突破 運休率4割も人気 (10.04.2026)

世界遺産・大山古墳の観光気球、搭乗者3万人を突破 人気上昇も運休率4割の課題

世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」に含まれる大山古墳(仁徳天皇陵、堺市)を上空から眺める観光気球が、運行開始から半年を迎え、搭乗者が3万人を超えた。この気球は、地上からは森にしか見えないとされる古墳の全貌を一望できるとして人気を集めている。しかし、強風などの気象条件により、運休率が4割に達する課題も浮上している。堺市は、搭乗を逃した人々に向けて、仮想現実(VR)を活用したサービスを開始し、対応を強化している。

気球の運行詳細と人気の背景

観光気球は、堺市の公募で選ばれたアウトドア会社「アドバンス」(兵庫県豊岡市)が運行している。直径23メートルの気球は、古墳近くの発着場にケーブルで係留されており、ヘリウムガスの浮力でビル30階の高さに相当する約100メートルまで上昇する。約15分の体験では、前方後円墳の「鍵穴」のような形状がほぼ見渡せ、天候が良ければ大阪市の市街地など広大なパノラマを楽しむことができる。

利用者の一人、大阪府八尾市の84歳の女性は「教科書で見た仁徳天皇陵と同じ光景が見られて感動した」と笑顔で語った。搭乗者の45%は堺市民で、香港や台湾などからの訪日客も目立つという。年中無休で、午前10時から午後6時まで約15分間隔で運行されているが、安全面から雨天や雷注意報発令時、晴れた日でも最大瞬間風速が8メートル以上の場合には運休する。この半年間の運行率は6割にとどまっている。

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運休率の高さと対策

アドバンスの担当者は「5回目の予約でやっと乗れた人もいる。ホームページで運行状況を公開しているので、確認してほしい」と注意を呼びかけている。観光気球は、北海道ニセコ町や愛媛県久万高原町などでも季節限定で行われているが、気象条件による運休は共通した課題だ。沖縄県今帰仁村のテーマパーク「ジャングリア沖縄」の気球は、天候が変わりやすく、運行率は4割台という。

堺市では、風が比較的弱い早朝の運行を検討するほか、今月1日から、搭乗できなかった人々に気球を疑似体験してもらうため、発着場近くの堺市博物館でVRなどを駆使したシアター映像(約13分)の無料上映を開始した。これにより、気象条件に関わらず、古墳の上空からの眺めを楽しめる機会を提供している。

世界的な観光気球の事例と堺市の展望

世界的には、トルコ・カッパドキアの奇岩群やエジプト・ルクソールの古代遺跡など、世界遺産で観光気球が定着している。堺市観光推進課の担当者は「気球で堺の認知度を全国や世界へ広め、観光誘致に弾みをつけたい」と意気込みを語る。チケットは大人4200円、3~15歳3000円で、ネット予割引などがある。1回あたりの飛行定員は最大30人で、運休の場合には支払いは発生しない。

百舌鳥・古市古墳群は、堺市の百舌鳥古墳群と大阪府羽曳野市、藤井寺市にまたがる古市古墳群の総称である。5世紀に築かれた大山古墳を中核に、前方後円墳や円墳、方墳など89基があり、保存状態が良い49基が2019年にユネスコの世界文化遺産に登録された。この観光気球は、歴史的価値の高い遺産を新たな視点で楽しむ手段として、今後も注目を集めそうだ。

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