愛知・春日井市長選へ、石黒市長の公約はどう変わった?中核市移行や医療費、給食費無償化の実績を検証
愛知・春日井市長選、石黒市長の公約検証 中核市移行や医療費無償化

愛知県春日井市長選が17日に告示され、24日に投開票される。現職の石黒直樹市長(56)と新人2人の計3人が立候補を表明しており、三つどもえの争いとなる見通しだ。4年前の前回選挙はコロナ禍の最中に行われ、市独自で保健所を運営できる「中核市移行」が大きな争点となった。初当選を果たした石黒市長が掲げた主な公約はどのような結果を残したのか。これまでの経過と効果を検証する。

中核市移行は財政負担で断念

中核市は人口20万人以上の市を対象に、都道府県から権限や事務が移譲される制度だ。市が保健所や児童相談所を開設できるようになり、よりきめ細かな行政サービスが可能とされる。コロナ禍で保健所業務が逼迫した経験から、市独自の保健所があれば情報把握や関係機関との連携がスムーズになると期待された。

石黒市長は移行に前向きな姿勢を示し、当選翌月の2022年6月に検討チームを組織。県内外の自治体への聞き取り調査を実施した。しかし1年後の2023年6月、「移行しない」と表明した。理由は保健所新設に約14億円など財政負担が大きく、他の施策に悪影響を及ぼす可能性を懸念したためだ。市は「全体として市民サービスの大きな低下につながりかねない」と結論づけた。当時、国が保健所機能を強化する方針を示したことも判断材料となった。

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子ども医療費無償化は18歳まで拡大

石黒市長が「まずやりたかった」と強調した政策が、子ども医療費の無償化だ。自治体が窓口での自己負担分を助成する制度で、2022年度時点では15歳までの通院・入院費と18歳までの入院費が対象だった。2023年度から通院費の無償化を18歳まで拡大した。

市保険医療年金課によると、2023年度の助成額は18億1875万円、2024年度は18億7274万円に上った。拡充前の2022年度は14億4911万円だったため、約3割増加した。18歳以下の医療費無償化は近隣自治体でも導入が進み、春日井市が含まれる近郊版エリアの全6市町で通院・入院費とも無償化が実現している。なお、春日井市は2020年度から24歳以下の学生の入院費も無償化していたが、2024年度の利用が64件にとどまったため、2025年度末で廃止した。

学校給食費無償化は第3子以降から開始

公約で給食費の段階的無償化を掲げた石黒市長は、就任直後の会見で「まず第2子を対象に」と意欲を示したが、その後方針転換し、第3子以降を対象とした。その理由について「当時は少子化を克服するにはどうすればいいかと考えたが、給食費を無償化したからといって子どもを産もうとはならない。経済負担が大きい第3子以降を対象にした方がいいと考えた」と説明している。

2025年度から小中学校の第3子以降を対象に開始し、最大1011人が恩恵を受けた。ほとんどが小学生で、児童全体の6.4%を占める。2026年度は国が小学校の給食費無償化を打ち出したため、中学生への支援を拡充。中学校に2人以上の子どもが通う場合、第2子以降の給食費を無償化した。4月時点で606人が対象となっている。

4年前の選挙で注目された中核市移行は財政判断で見送られたが、子ども医療費や給食費の無償化は段階的に実現している。石黒市長の公約達成度が今回の選挙の争点の一つとなりそうだ。

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