岩手県平泉町の中尊寺で、昨年から進められていた本坊表門の修復工事がこのほど完了し、4日、その完成を祝う法要が営まれた。同寺の落慶900年記念事業の一環として実施されたこの修復プロジェクトは、多くの支援者の協力により実現した。
歴史ある門の修復
本堂正面に位置するこの門は、伊達政宗の十男で一関藩初代藩主・宗勝の邸宅の屋敷門であったとされ、1659年に現在の場所に移築されたと伝えられている。柱や扉などの主要部分は江戸時代初期の状態をそのまま残しており、現在は県指定文化財に指定されている。
地震被害からの復旧
長年にわたり大切に管理されてきたが、2008年の岩手・宮城内陸地震や2011年の東日本大震災によって門に傾斜やゆがみが生じ、徐々に悪化していった。そのため、昨年2月から今年5月にかけて、寺院建築や文化財修理を専門とする遠野市の社寺工舎が解体修理を担当した。
資金調達と支援の輪
修復にかかった総費用は約4100万円。このうち、クラウドファンディング(CF)で約1800万円が集められた。残りの費用は県の補助金や個人からの寄付によって賄われた。
貫首の願い
法要を終えた中尊寺の奥山元照貫首は、「日本国中からお力添えをいただき、無事竣工となりました。これから100年、200年と多くの方にこの門をくぐってお参りいただきたい」と述べ、門の永続的な保存と参拝者の増加を願った。
修復された本坊表門は、歴史的価値と美しさを再び取り戻し、訪れる人々を迎えている。



